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【労務管理】社会保険の対象となる報酬


社会保険に加入した場合、社会保険料は『労働の対償として受けるすべて』を合計した金額をもとに決められます。

社会保険(健康保険、厚生年金保険)の報酬の範囲

社会保険(健康保険、厚生年金保険)の報酬の範囲は、基本給、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当、年4回以上支給される賞与など、『労働の対償として勤務先から支給されるものすべて』です。

金銭だけでなく、通勤定期券や食事、住宅など「現物」で支給されるものも報酬として含めます。

臨時的な理由で支給されるものや、年3回以下の回数で支給の賞与などは、毎月の社会保険料の計算のもとになる報酬に含めません。
年3回以下の回数で支給される賞与は「標準賞与額」の対象となり、賞与分として社会保険料がかかるようになります。

労働保険(労災保険、雇用保険)の賃金の範囲

労働保険(労災保険、雇用保険)の賃金の範囲は、賃金、手当、賞与、その他どのような名称でも、『労働の対償として勤務先から支給されるものすべて』です。
定期券や回数券など、通勤のために支給する現物給与も賃金として含めます。

結婚祝金や退職金など「臨時のもの」や、出張旅費や宿泊費など「実費弁償」と考えられるものは賃金の範囲から除かれます。

また、従業員に福利厚生施設として勤務先が「住宅」を用意している場合、基本的には賃金として扱いませんが、住宅を用意されない従業員全員に対して「住宅分の均衡手当」を支給している場合は賃金となる場合があります。

『非課税所得』との違い

ここでよくわからなくなってしまいがちなのが、「通勤費は非課税じゃないの??」という『非課税所得』との違いです。

非課税所得は、社会政策その他の見地から所得税を課さないもので、所得税法および租税特別措置法等で規定されているものです。
非課税所得と社会保険の対象となる報酬は別の法律で定義されているものであり、考え方が違うため、混同しないよう注意が必要です。
「非課税」となっているものでも『労働の対償として勤務先から支給されるもの』は社会保険料の計算に含まれます。

厚生年金保険法
(用語の定義)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(略)
三 報酬 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受ける全てのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
四 賞与 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

健康保険法
(定義)
第三条
5 この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
6 この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律
(定義)
第二条 この法律において「労働保険」とは、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。以下「労災保険法」という。)による労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険(以下「雇用保険」という。)を総称する。
2 この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。
3 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

チケットレストランは社会保険料の対象になるか

現金支給よりオトクな食事補助としてチケットレストランというプリペイドカード形式のサービスがあります。

勤務先から支給される金額に対して、一定額以上を従業員が負担することで「非課税扱い」で食事代を補助できるサービスです。

チケットレストラン

チケットレストランは健康保険・厚生年金保険の報酬として含まれるのか

「非課税」のものも『労働の対償として勤務先から支給されるもの』は社会保険料の計算に含まれることは上述したとおりですが、チケットレストランを毎月7,000円支給し、そのうち従業員負担が3,500円の場合について念のため年金事務所に確認をしてみたところ、

「業務時間外も使えるものなので、会社負担分のみを報酬として扱う取扱いが一般的。社会保険上、報酬としての取り扱いであり、現物給与としての取り扱いとはならない。」いうことでした。過去に本部へ疑義照会があがっている内容のようでした。

現物給与とは

勤務先から「労働の対償として現物で支給されるもの」がある場合、その現物の価額も含めて社会保険料を算定するようになります。
現物で支給されるものが、食事や住宅である場合、「全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)」を元に計算します。

チケットレストランは雇用保険・労災保険の賃金として含まれるのか

労基署に確認したところ、「チケットレストランが労災・雇用保険の対象になるかは、会社が『労働の対価として払うかどうか』の認識による。」ということでした。


社会保険は『労働の対価』としての認識し、労働保険は「労働の対価としての認識ではない」という道理は通らないでしょうから、労働者に支給する場合は雇用保険・労災保険の対象となる賃金として含めて考えるのが自然といえるでしょう。

【労務管理】安全配慮義務とは


安全配慮義務とは、使用者が労働者の生命・身体、そして心身の健康を守りながら働けるよう、労働契約に伴って必要な配慮を行う義務をいいます。
この義務は、労働契約法第5条に明文化されています。

労働契約法
(労働者の安全への配慮)
第5条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

ここで重要なのは、安全配慮義務が「労働者と特別な約束をしていなくても、労働契約に当然に付随する義務」であるという点です。
労働者の労務提供に対して賃金を支払う義務と並ぶ、使用者の基本的な契約上の義務であると位置づけられています。

判例で確立された「当然の義務」

安全配慮義務は、もともと判例によって認められてきた考え方です。
代表的なものとして、以下の最高裁判例があります。

  • 陸上自衛隊事件 昭和50年2月25日最高裁第3小法廷判決
  • 川義事件 昭和59年4月10日最高裁第3小法廷判決

特に川義事件では、
「通常、労働者は使用者が指定した場所、設備、器具等を用いて労務を提供するため、使用者は、賃金支払義務だけでなく、労働者の生命・身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っている」
と明確に示しました。

このような判例の積み重ねを背景として、労働契約法第5条が制定されています。

「生命、身体等」には心身の健康も含まれる

労働契約法第5条の「生命、身体等の安全」には、心身の健康、つまりメンタルヘルスも含まれるとされています。
そのため、安全配慮義務には、単なる事故防止にとどまらず、

  • 長時間労働
  • ハラスメント
  • 強い心理的負荷がかかる業務

といった、心身の健康を害するリスクへの配慮も対象となります。

労働安全衛生法との関係

労働安全衛生法第3条では、事業者の責務として次のように定めています。

労働安全衛生法
(事業者等の責務)
第3条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。

ここで押さえておきたい実務上のポイントは、
「労働安全衛生法を守るだけでは事業者が完全に安全配慮義務を果たしたことにはならない」という点です。

労働安全衛生法はあくまでも最低限の守るべき事項です。
使用者は、法で定めた基準以外の労働災害発生の危険防止についても安全配慮義務を負っています。

個別具体的な状況に応じた配慮が不足していれば、安全配慮義務違反と判断され、民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。
刑事責任(労働安全衛生法違反)と民事責任(安全配慮義務違反)は必ずしも一致しないからです。

安全配慮義務の具体的内容

安全配慮義務の中核は、次の2点に整理できます。

  1. 危険発見・・・職場や作業内容に潜む事故や健康障害のリスクを把握・予測すること
  2. 事前排除(予防)・・・リスクを除去または低減し、残存リスクについては作業者に周知・教育・対策を行って、危険が顕在化しないように対策をする

これらは一律の対応が求められるものではなく、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められます。

労務担当者が押さえるべき実務ポイント

労務担当者としては、次の視点が重要になります。

  • 法令遵守だけでなく、実態に即したリスクの洗い出し
  • 職場環境や業務内容の定期的な見直し
  • メンタルヘルス対策や相談体制の整備
  • 事故・トラブルの「予兆」を見逃さない仕組みづくり

安全配慮義務は、企業を守るためのリスクマネジメントであると同時に、働く人が安心して力を発揮できる職場づくりの土台でもあります。

安全配慮義務を「考えるため」の見える化無料ワークシート

「安全配慮義務」と聞くと、何か難しい特別な対策をしなければならないのでは、と不安になる方も多いのではないでしょうか。

特に小規模事業者の場合、

  • 専任の労務担当者がいない
  • 法律の情報が多すぎて、どこまでやればいいのか分からない

という声をよく耳にします。

まずは自社の状況を整理し、考え、必要な対策をしていくことが大切です。

そこで今回は、小規模事業者の方が「考えるところから始められる」安全配慮義務の見える化シート(Word版)を無料でご紹介します。

専門知識がなくても書けるよう、あえて細かいチェックリストにはしていません。

下記より、無料でダウンロードできますので、まずは書けるところから使ってみてください。

※判断に迷う場合や対応に不安がある場合は、放置せず、専門家にご相談ください。

【派遣許可の資産要件を今すぐクリアしたい!監査証明を使った最短申請方法】


【決算を待たずに資産要件を満たす「増資+監査証明」の具体的手順】

労働者派遣事業の許可を取得しようとしたら、「資産要件を満たしていない…」と判明して焦った経験はありませんか?
労働者派遣事業の許可基準である資産要件は以下の3つをすべて満たす必要があります。
基準資産額(資産総額※-負債総額)
 ⇒ 2,000万円 × 派遣事業を行う事業所数 以上  
基準資産額が負債総額の1/7以上であること  
自己名義の現金預金
 ⇒ 1,500万円 × 派遣事業を行う事業所数 以上
※繰延資産および営業権を除く

 

「次の決算まで待てない」「できるだけ早く許可を取りたい」という方は多いと思います。
実は決算期を待たずに資産要件をクリアする方法があります。それが「公認会計士または監査法人による監査証明」を使う方法です。

 

具体的な手順
1.現在の資産状況を確認  
2.不足分を増資などで補填  
3.中間決算または月次試算表を作成  
4.公認会計士・監査法人に監査証明をもらう  
5.監査証明付きの中間決算書等を添付して許可申請

 

これで最短1~2ヶ月程度で資産要件をクリアした状態で申請が可能になります。
弊事務所では
・資産要件をクリアするための増資スキーム提案
・信頼できる公認会計士のご紹介
・許可申請書類一式の作成代行
を対応しております。
「今すぐにでも派遣事業を始めたい!」という方は、まずはお問合せください。

【労務管理】日本年金機構の事業所調査で指摘の多い事例


社会保険の適用を受けている事業所は、日本年金機構から事業所調査をされる場合があります。

事業所調査とは

適用事業所の従業員への社会保険の届出を正しく行うことを推進し、将来的な無年金者等が出てくることの防止や事業主の負担の公平性を確保することを目的として実施されています。

調査では、次のような事を確認されます。

  • 被保険者の資格や報酬について
  • 被保険者の加入や賞与支払に関する届出、報酬月額が正しいか など

届出内容に漏れや誤りがあった場合には指摘されるので、適正な届出を行うようになります。
年金事務所から指摘をされても適正な届出がされない場合には、確認した事実に基づいて遡及して職員の認定による手続きが行われます。

事業所調査の方法は大きく『訪問調査』と『呼出・郵送調査』に分けられます。

訪問調査・短時間労働者を多く使用している事業所
・算定基礎届や賞与支払届が未提出の事業所
・これまでの事業所調査において指摘の多い事業所など
呼出・郵送調査・上記以外の事業所など

事業所調査は、厚生年金保険法第100条に基づいて行われており、事業主には調査に応じる義務があります。

事業所調査で指摘の多い事例

日本年金機構では、実際の事業所調査で指摘の多い事例を公表しているのでいくつかご紹介します。

短時間労働者の適用

1年のうち6カ月間以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない)の総数が51人以上となる企業等は特定適用事業所といい、短時間労働者も健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。

短時間労働者は次の要件をすべて満たすことで社会保険の加入対象となります。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上である
  2. 所定内賃金が月額8.8万円以上である
  3. 学生でない

入社時、雇用契約書等で定めた所定労働時間が週20時間未満であっても、実際の労働時間が2か月連続で週20時間以上となった場合で、さらに引き続き同様の状態が続いている場合や続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3か月目の初日に被保険者の資格を取得するルールとなっています。

調査によって、雇用契約は週20時間未満でも、実際の労働時間が何か月も週20時間以上となっていたことが判明すると、遡って加入手続きが必要となります。

実態を把握し、適正に加入手続きを行ったり、労働時間が加入基準を超えないように管理していくことが大切です。

随時改定に関わるもの

非固定的賃金の新設(廃止)、単価の変更

部署異動に伴って新たな手当の支給対象者となった場合など、随時改定の対象となる可能性があります。

昇給や降給などで報酬に大幅な変動があり、一定の要件に該当した場合、月額変更届を提出して随時改定となります。
随時改定に該当するには、「固定的賃金に変動」「変動月以降3か月平均の標準報酬月額が2等級以上の差」等一定の要件があります。

新たな手当は、毎月支給するものとは限りません。
給与規程等で定める『一定の要件を満たした場合に支給する手当』を新たに「支給する(しない)対象になった」場合にも、『固定的賃金の変動』にあたります

「支給する(しない)対象になった」月が起算月となりますので、忘れずに確認する必要があります。

また、支給単価に変更があった場合も「固定的賃金の変動」にあたるため、注意が必要です。


固定的賃金の日割り支給

給与計算期間の途中に固定的賃金の変更が行われ、日割り支給される場合がありますが、随時改定では、固定的賃金の変動を満額反映していないため日割り支給された月は起算月としません。

手当が新たに支給する(しない)対象となり、日割りではなく「満額支給された最初の月」を起算月とし、以後3か月の実績をもって月額変更に該当するかどうかを判断します。

日割り支給された月を起算月として届出してしまうと、改定月や改定後の報酬月額が誤ってしまうこととなります。


遡って手当を支給する

社会保険の報酬月額は、給与規程等で支給することが定められている諸手当など「労務の対償となるすべての報酬」を含めた金額を元に決定されます。

通勤手当や住宅手当なども報酬に含めることとなりますが、従業員からの申請が遅れた等の事情で、本来支給する月の翌月以降に遡って支給するケースがあります。

入社時の場合

「資格取得時の報酬月額を訂正」して届出をする必要があります。

随時改定の場合

「本来支給する月を起算月」として、月額変更に該当するか確認します。

遡及して手当を支払うこととなった場合、取得時訂正や、本来支給月に支給したものとして月額変更に該当しないか、確認する必要があります。

現物給与の算入もれ

社会保険の報酬は、住宅の貸与、食事の提供など、金銭以外で支払われるものは「現物給与」として含めます。
住宅と食事は厚生労働大臣が現物給与の価額を都道府県毎に定めています。

この時、社会保険を本社と支店で合わせて1つの適用事業所として管理していても、現物給与はそれぞれの支店等が所在する都道府県の価額で計算するので注意が必要です。

また、本人から一定額を控除している場合、食事、住宅それぞれで計算方法が定められているので確認する必要があります。

 

 

【労務管理】傷病手当金は懲戒処分で出勤停止の日にも支給される


傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガで休業している期間について生活保障を行う制度です。勤務先で社会保険に加入している方が病気やケガのために会社を休み、賃金が受けられない場合、傷病手当金の申請ができます。

傷病手当金が支給される条件

傷病手当金は、次の条件をすべて満たしたときに支給されます。

  1. 業務や通勤と関係ない理由による病気やケガによって、会社を休んでいる
  2. 仕事ができない状態である
  3. 所定休日や有給休暇も含めて当該療養のために3日間連続で休んで、4日目以降も仕事に就けない
  4. 休業した期間について給与の支払いがない

傷病手当金は、上記の3つ目の「待機3日間」が成立した後、4日目以降について支給されるものですので、会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。

また、傷病手当金の金額は、傷病手当金を受給する方の社会保険の金額(原則として過去1年間の標準報酬月額の平均)を元に決定されます。
支給される期間は、支給を開始した日から通算して最長で1年6ヵ月です。

【参考】傷病手当金について~支給額&書き方~

労務できない期間が、懲戒処分による出勤停止期間の場合

出勤途中に追突事故を起こし、会社から出勤停止処分(後に懲戒解雇)をされた方が、アルコール依存症の療養のために仕事ができなかったとして傷病手当金の支給申請をしたところ、保険者組合から「会社から出勤停止になっている間は労務不能とはいえない」と却下された件について、再審査請求によって傷病手当金が支給されることとなった事例があります。
(社会保険審査会 令和2年(健)第1131号)

傷病手当金の支給要件は「療養のため労務不能」であることのみ

当初、保険者組合は「出勤停止を命じられている期間は、そもそも『労働の義務が発生しない』状況のため、『療養のため労務に服することができないとき』に該当しない」としていました。

しかし、健康保険法第99条第1項は、傷病手当金の支給要件として、療養のための労務不能であることのみを要件としています。
「労働義務がある日(賃金請求権を有する日)であること」は要件としていません。

健康保険法 第99条 
被保険者(任意継続被保険者を除く。第百二条第一項において同じ。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。

昭和2年社会局保険部長通知でも「労働義務がない公休日でも労務不能なら支給する」としており、公休日についても傷病手当金は支給されています。

これらのことにより、出勤停止の懲戒処分のため雇用契約上賃金請求権がない日であっても、療養のため労務不能で賃金を受けられないなら支給対象となりました。

労働者災害補償保険における休業補償給付の場合

業務が理由となって休業をした場合に受けられる労働者災害補償保険における休業補償給付においても、休日や出勤停止の懲戒処分等のため雇用契約上賃金請求権が発生しない日も支給されることが最高裁判決で示されています。
(最高裁判所昭和58年10月13日第一小法廷判決 事件番号:昭和58(行ツ)4)

【2026年(令和8年度)労使協定をミスなく作成したい派遣会社様へ|是正指導急増中】


【労使協定作成サポートも対応しております】

令和8年度(2026年)適用分の「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額」(賃金比較ツール)が公表されました。
いよいよ来年度の労使協定を見直す時期がやってきました。
東京労働局の発表によると、令和6年度に派遣事業者に対して行われた指導監督は3,135件(前年比+12.3%)と大幅に増加しています。
以前のデータによると是正指導の内容で最も多かったのが「労使協定に関する不備」です。

「自社で作れる自信がない…」
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「顧問社労士に断られた…」
そんな派遣会社様から多くご相談をいただいております。弊事務所では
労使協定方式の労使協定作成サポートをスポット3万円(税抜)~承っております。
サービス内容例
•  最新の賃金比較ツールを使った賃金テーブルの作成アドバイス
•  労使協定ひな形のご提供 
•  過半数代表者選出から協定締結までのスケジュール管理 
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令和8年協定の締結期限(2026年3月31日)までに余裕を持って対応したい方は、今すぐお問い合わせください。

【労務管理】事業主の証明による被扶養者認定


社会保険の扶養に入るため、年収130万円未満に収まるように雇用契約を結んでいるものの、実際のところ毎月残業していたりすると、年末時点で年収調整のため「もう残業できない」「勤務時間を減らさなければいけない…」とパートやアルバイトの方が考えるケースがあります。

社会的な人手不足を背景に、こういった働き控えの対策として、令和5年から「事業主の証明による被扶養者認定の円滑化」が当面の間の対応として実施されていましたが、この度、恒久的な取扱いとなりました。

事業主の証明による被扶養者認定とは

残業などで収入が一時的に扶養認定基準(年収130万円未満)を超えたとしても、事業主がその旨を証明すれば扶養に入ったままでいられる、というものです。
連続2回まで認められます。

※保険者が被扶養者の収入確認を年1回実施している場合は、連続2年間は認められるということです。

事業主が証明する書式

事業主が証明する書式は厚生労働省HPに用意されています。
「本来想定される年間収入(残業のない年間収入)」「人手不足による労働時間延長等が行われた期間」等を記入するようになっています。

一時的な収入増加の要因

一時的な収入増加の要因としては、「残業手当」や「臨時的に支払われる繁忙手当」等が想定されています。

  • 他の従業員が休職・退職したことで、業務量が増加したケース
  • 業務の受注が好調だったことにより、事業所全体の業務量が増加したケース
  • 突発的な大口案件で事業所全体の業務量が増加したケース など

シフト制で勤務している労働者のシフトが、上記のような理由で勤務時間が増えた場合も該当します。

こういったケースではなく、基本給や手当の変更、雇用契約上の所定労働時間・日数が増加して引き続き収入が増えることが確実な場合は、「一時的な収入増加」とは認められないので注意が必要です。

60歳以上または障害者の場合

60 歳以上の場合や、障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は、被扶養者の収入要件が180万円未満と定められています。
この場合、「事業主の証明による被扶養者認定」は、年間収入が180万円未満かどうかの判定についても適用されます。

ただし、扶養されている人の年間収入が、扶養している人の年間収入を上回る場合等で、扶養している人がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められない場合には、被扶養者の認定が削除されることとなるので注意が必要です。

フリーランスや自営業者などの場合

フリーランスや自営業者など、特定の事業主と『雇用関係』にない働き方をしている場合は、今回の措置(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)の対象にはなりません。

【労務管理】36協定の特別条項の発動手続き


36協定とは

労働時間は原則として「1日8時間」「週40時間以内」、そして「毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」と労働基準法で決まっています。

この時間を超えて労働者を働かせる場合は、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結し、所轄労働基準監督署長への届出をする必要があります。

36協定を結び、届出をすることで、協定で決めた範囲内で原則の労働時間を超えて労働させることができます。

36協定の効力(刑事免罰効力)は所轄労働基準監督署長への届出をした時点から発生するため、届出を忘れていると効力がないため注意が必要です。

36協定で決めること

36協定では、次のような内容を決めます。

  • 時間外労働を行う理由
  • 時間外労働を行う業務の種類
  • 1日、1か月、1年当たりの時間外労働の上限など

36協定で決められる上限時間

36協定を結んだからと言って、無制限に時間外労働をさせられるわけではありません。

休日労働を含まない『時間外労働の上限』は、原則として「月45時間」「年360時間」と決まっています。
さらに、『時間外労働と休⽇労働の合計』は⽉100時間未満、2~6カ月すべての平均が80時間以内にしなければなりません。

※災害の復旧・復興の建設事業や、自動車運転の業務、医師、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業等については別途特別な取扱いが定められています。

参考:【労務管理】2024年4月以降の時間外労働の上限規制

36協定の特別条項

臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合、『特別条項』を決めることで、原則を超えて次の上限まで時間外労働をさせることができます。

※特別条項は必要性を毎回確認しながら適切に運用することが求められます。また、特別条項を適用させる場合でも、時間外労働は限度時間にできる限り近づけるように努めなければいけません。

【特別条項の上限】

  • 時間外労働・・・年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計・・・月100時間未満、2~6か月すべての平均が80時間以内
  • 時間外労働の上限の原則月45時間を超えることができるのは、年6カ月まで

特別条項を適用させて労働させる理由として「通常は見通せないような業務量の大幅な増加に伴って臨時的に労働させる必要がある場合」をできる限り具体的に定める必要があります。

【臨時的に必要がある場合の例】

  • 予算、決算業務
  • ボーナス商戦に伴う業務の繁忙
  • 納期のひっ迫
  • 大規模なクレーム対応
  • 機械トラブル対応              など

「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」などは恒常的な長時間労働に繋がる恐れがあるため認められません。

特別条項を発動するときの手続き

36協定の特別条項を発動する場合、労基署への届出や報告は不要です。

36協定を結ぶ際に決めた「特別条項を発動させるときの手続き」(「労働者代表に対する事前申し入れ」「労働者代表に対する事前通告」など)を社内で手続きを進め、

「発動手続に関する記録」と「健康・福祉確保措置の実施状況」の記録を作成して保存する必要があります。

特別条項発動協議書と通知書の作成例

「発動手続に関する記録」として協議書や通知書を作成することが考えられます。

※こちらの書式はあくまで参考例としてご提供しているものです。ご利用にあたっては、自社の状況に合わせて内容をご確認・調整くださいますようお願いいたします。

 

 

健康・福祉を確保する措置

特別条項を発動して働かせた労働者に対して、どのような健康・福祉を確保するための措置をするのか定めます。特別条項を発動した場合は、これらの措置のうちどれを実施したかを「記録」として残す必要があります。

  • 医師による⾯接指導
  • 深夜業(22時〜5時)の回数制限
  • 終業から始業までの休息時間の確保(勤務間インターバル)
  • 代償休⽇・特別な休暇の付与
  • 健康診断
  • 連続休暇の取得
  • 心とからだの相談窓⼝の設置
  • 配置転換
  • 産業医等による助言・指導や保健指導
  • その他

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【労務管理】家族従業員の労働者性


中小企業や個人事業では、配偶者や子ども、親など、事業主の家族が一緒に働くことは珍しくありません。

しかし、「家族だから労働基準法は関係ない」「給与は手伝いのお礼」といった認識でいるとトラブルにつながることがあります。

家族であっても、「同居の家族以外の従業員を雇っているか」「指揮命令関係があるか」「他の労働者と同じように管理されているか」といった実態によって労働者性を判断する必要があります。

労働基準法上の扱い

労働基準法は、使用者が労働者と雇用契約を結ぶにあたって最低限の基準を設けたものです。
本来、使用者と労働者は「対等な立場」で自由に契約を行うのが原則ですが、労働者は経済的に弱いため、不公平な契約を結んでしまうおそれがあります。そのため、法律で最低限の基準が定められています。

労働基準法では、労働者の定義を「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定めています。

第9条(定義)
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

一方で、労働基準法第116条第2項では、「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない」としており、適用除外を定めています。
つまり、「働いている人が同居の家族だけ」で行う事業であれば、労働基準法の規定(労働時間、休日、割増賃金など)は原則として適用されません。

第116条(適用除外)
②この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

しかし、ここで注意が必要なのは、同居の親族ではない従業員を1人でも雇っている場合、その事業全体に労働基準法が適用されるということです。


アルバイトやパートの方を1人でも雇っていれば、同居の親族にも労働基準法が適用される場合があるということです。

労働基準法上の「労働者」に該当するかを判断する基準

労働基準法の労働者性は、「使用従属性」によって判断されます。

  1. 他人の指揮監督下において労働をしているか
  2. 報酬が「指揮監督下における労働」の対価として支払われているか

この具体的な判断基準は、労働基準法研究会報告(労働基準法の「労働者」の判断基準について)(昭和60年12月19日)において、次のように整理されています。

「指揮監督下の労働」であることの判断要素
  • 仕事の依頼、業務従事の指示等に対して諾否の自由があるか
  • 業務の内容や遂行方法について具体的な指揮命令を受けているか
  • 場所や時間の拘束性はあるか(拘束がある場合、業務の性質上か、指揮命令の必要によるものか)
  • 労務提供の代替性はあるか(本人が自らの判断で他の者や補助者を使うことが認められているか)

また、報酬に関して、欠勤控除や残業手当がある場合は、使用従属性を補強するものとして考えられます。

使用従属性の判断が困難な場合に追加で考える要素

使用従属性の判断が困難な場合、次の要素も考慮して総合判断するようになります。

(1)事業者性の有無

本人が所有する著しく高価な機械、器具を使用しているか、事業者として正規従業員よりも著しく高額な報酬を得ているか、損害責任を負っていたり独自の商号を使用したりしているか

(2)専属性の程度

他社の業務に従事することが制度上制約されていたり、時間的余裕がなく事実上専属となっており、経済的に従属しているか、報酬に固定給部分があるか

(3)その他 

選考基準、報酬の支払い(給与所得かどうか)、労働保険や服務規律の適用などが判断を補強するものとなります。

労災保険の扱い

労災保険は、労働者が業務または通勤に起因して負傷・疾病・障害・死亡した場合に、政府が保険給付や社会復帰支援を行う制度です。
労災保険の対象者は原則としてアルバイトやパートタイマー等を含むすべての労働者です。

事業主と同居の親族は、原則として労災保険の対象外

事業主と同居の親族は、原則として労災保険の対象にはなりません。

ただし、常時、同居の親族以外の労働者を使用している事業で、同居の親族が下記の条件を満たし、一般事務や現場作業などに従事している場合は、私生活とは別に独立した労働関係が成立しているとみなされ、労災保険の対象となります。

実態として労働者であることの要件
  • 明確に事業主の指揮命令に従って業務を行っている
  • 同居の親族ではない労働者と同じように働き、労働時間や休憩、休日等の管理をされていて、賃金も労働に応じて支払われている。

雇用保険の扱い

個人事業主や実質的に個人事業と同様の法人の事業主と同居している親族は、原則として雇用保険に加入できません。家族としての協力関係が強く、使用従属関係が不明確になりやすいためです。

しかし、以下の要件をすべて満たす場合は加入が認められます。手続きの際は、ハローワークに実態を確認できる書類等を提出する必要があります。

同居している親族が雇用保険に入る要件
  • 明確に事業主の指揮命令に従って業務を行っている
  • 他の労働者と同じように就労していて、勤怠の管理を受けており、賃金もこれに応じて支払われている
  • 役員など、事業主と利益を一にする地位ではないこと

例えば、他の従業員と同じように出退勤の打刻やシフト管理をされており、給与計算も同じ方法で行われていれば、雇用関係が認められる可能性があります。

逆に、「必要な時だけ手伝う」「給与は月ごとに任意で支給」などの場合は、要件を満たさないことになります。

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