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【労務管理】算定基礎届の支払い基礎日数について


算定基礎届とは

社会保険に加入している場合、事業主は、毎年、7月1日現在使用している全被保険者と70歳以上被用者について、3カ月間(4月、5月、6月)の報酬月額を日本年金機構に届出します。
これを算定基礎届といいます。

算定基礎届は、実際に支払われている報酬と、既に決定されている標準報酬月額との間に大きな差が生じないようにすることを目的に、毎年行われるものです。

厚生労働大臣はこの届出内容に基づいて標準報酬月額を決定します。決定された標準報酬月額は、随時変更がない限り、当年の9月から翌年8月までの各月に適用されます。

3カ月間(4月、5月、6月)の報酬月額とは

4月~6月に『実際に支払われた報酬』を記載します。
細かく言うと、4月~6月に実際に支払われた報酬のうち、支払基礎日数が17日以上(※1 特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上)の報酬を記載します。

たまに「社会保険料を高くしないために4~6月は残業をしないで給与を上げないようにしたほうがいい」と言われる場合がありますが、これは必ずしも適切ではありません。
なぜなら、算定基礎届は「支払日ベースで判定される」からです。

例えば、『末締・翌月25日払い』の勤務先であれば、算定基礎届に記載する給与は次のようになります。

4月

3月1日~3月31日勤務分
5月

4月1日~4月30日勤務分

6月

5月1日~5月31日勤務分

つまり、実際には3月~5月に働いた内容が反映されるようになります。

給与の締日・支払日は勤務先によって異なりますので、気になる場合はご自身の勤務先の締日・支払日を確認してください。

※1 特定適用事業所に勤務する短時間労働者とは

特定適用事業所とは、1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上※2となることが見込まれる企業等のことです。

※2 企業規模要件は、令和7年の年金制度改正法によって、2035年10月にかけて段階的に企業規模要件が引き下げられることが予定されています。

51人以上の企業

現在

36人以上の企業 2027年10月から
21人以上の企業 2029年10月から
11人以上の企業 2032年10月から
10人以下の企業 2035年10月から

そして、次のすべての要件を満たす場合、「特定適用事業所に勤務する短時間労働者」に該当します。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 所定内賃金が月額8.8万円以上であること
  3. 学生でないこと

夜勤労働者で日をまたぐ勤務を行っている場合の支払い基礎日数について

算定基礎届では、支払基礎日数が17日以上(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上)の報酬を記載しますが、夜勤労働者で日をまたいでいる場合、「いつからいつまでを1日と考えるのか?」と疑問に思う場合があります。

令和5年6月27日の日本年金機構事業管理部門担当理事あて厚生労働省年金局事業管理課長通知(「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正について〔健康保険法〕)では次のように記載されています。

夜勤労働者で日をまたいで労務に就いている場合は、以下のように取り扱う。

①夜勤勤務者が『月給』で給与の支払いを受けている場合
→各月の『暦日数』を支払基礎日数とする。

②夜勤勤務者が『日給』で給与の支払いを受けている場合
→給与支払いの基礎となる『出勤回数』を支払基礎日数とする。ただし、変形労働時間制を導入している場合は、下記の③に準じて取り扱う。

③夜勤勤務者が時給で給与の支払を受けている場合
→各月の『総労働時間をその事業所における所定労働時間で除して得られた日数』を支払基礎日数とする。
なお、勤務中に仮眠時間等が設けられている場合、これを労働時間に含めるか否かは、その事業所の業務の実態、契約内容、就業規則等によって仮眠時間等が給与支払いの対象となる時間に含まれているかどうかを確認することで判断されたい。

月給、日給、時給によって考え方が変わるので注意が必要です。

【労務管理】子ども・子育て支援金とは


『子ども・子育て支援金』は、こども未来戦略の具体化に向けたもので、子育て世代を支えるための新しい制度です。

被用者保険、国保、後期高齢者医療などすべての医療保険の加入者から徴収されます。

被用者保険の場合の支援金率

令和8年度の支援金率は0.23%(労使折半)で、令和8年4月保険料(5月納付分)から開始になっています。
支援金は健康保険料と合わせて徴収され、賞与も支援金の対象となります。

なお、育児休業期間中や産休期間中は、健康保険料や厚生年金保険料と同様に、支援金も免除されます。

社会保険料を翌月徴収している会社の場合

4月分の保険料は5月払いの給与から控除し始めます。

(例)
給与が末締め・翌月25日払いの場合
5月25日払いの給与(4月分)から控除開始

4月に賞与を支給する場合

賞与を4月に支給する場合は、健康保険料等と同様に支援金も支払日ベースで適用されます。
そのため、4月支給の賞与から控除が必要となるため注意が必要です。

給与明細への記載

保険料額の内訳として子ども・子育て支援金額を示すことは法令上の義務にはなっていません。
ただし、こども家庭庁では、制度の趣旨を踏まえて内訳を記載するよう協力を呼び掛けています。

実際、協会けんぽの場合は都道府県毎の保険料額表で「子ども・子育て支援金」を分けて記載しており、お使いの給与計算ソフトの設定にもよるかと思いますが、分けて記載した方が控除額を確認しやすいでしょう。

子ども・子育て支援金を財源とする施策

子ども・子育て支援金を財源とする施策は次のようなものです。

地方自治体が窓口となるもの

・妊婦のための支援給付

妊婦等包括相談支援事業と組み合わせて2回に分けて支給。妊婦1人5万円、出産後子ども1人につき5万円。

・児童手当の拡充
所得制限の撤廃、支給期間を高校生年代まで延長、第3子以降の支給額を3万円に増額、支払回数を年6回に増加。

・こども誰でも通園制度
今までの幼児教育・保育給付に加えて、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付。

雇用保険

・出生時休業支援給付
一定の要件を満たすことで、出生時育児休業給付金と合わせて支給。

・育児時短就業給付
2歳未満の子を養育するため、所定労働時間を短縮して就業した場合に、賃金が低下するなど一定の要件を満たすと支給。

国民年金第1号

被保険者の育児期間に係る保険料免除。 ※令和8年10月から施行予定

『子ども・子育て拠出金』との違い

『子ども・子育て支援金』と非常に名前が似たもので『子ども・子育て拠出金』というものがあります。
『子ども・子育て拠出金』は、児童手当制度が次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することにより、将来の労働力の維持、確保にもつながる効果が期待されるとして、昭和46年度に創設されました。現在では、児童手当の他、放課後児童クラブ、延長保育事業、病児保育事業などに充当されています。

被保険者の負担はなく、事業主のみが負担しており、令和8年4月以降も変わりません。
拠出金率は、法定上限0.40%、適用率は0.36%で、協会けんぽの場合、被保険者個々の厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に、拠出金率(0.36%)を乗じて得た額の総額を納付するかたちになっています。

【労務管理】雇用保険料率を変更する時期


令和8(2026)年度 雇用保険料率が公表されました。

令和8年度の雇用保険料は、昨年度よりも労使合わせて0.1%下がります。

  雇用保険料率の労使合計 (うち労働者負担) (うち事業主負担)
一般の事業 13.5/1000 5/1000 8.5/1000
農林水産・清酒製造の事業 15.5/1000 6/1000 9.5/1000
建設の事業 16.5/1000 6/1000 10.5/1000

雇用保険料のうち、労働者負担分は毎月の従業員の給与から控除します。

事業主は、毎月の給与から控除した労働者負担分の雇用保険料と事業主負担分を、毎月ではなく年度更新のタイミングでまとめて申告・納付します。

労働保険料の支払い

労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料は、年度当初に概算で申告・納付し、翌年度に確定申告をして精算します。

毎年、前年度の確定保険料(概算保険料で支払った差額の精算)と当年度の概算保険料を併せて申告・納付するようになります。

納付は原則として各年度1回(現金納付の場合は原則として6月1日から7月10日までに申告・納付)ですが、一定の要件を満たしたり、労働保険事務組合に委託している場合は3回に分割納付できます。

また、口座振替にした場合は現金納付に比べて保険料の引き落としまでに約2か月のゆとりができます。

労働保険の年度の考え方

労働保険の保険料は、毎年『4月1日から翌年3月31日までの1年間』を単位として計算します。

ここで実務的に迷うのが、4月1日から3月31日を「支払日」で考えるのか「締日」で考えるのかです。

3月31日までに「支払義務が具体的に確定した賃金」を含む

労働保険の年度は、4月1日から翌年3月31日までの1年間に「支払いが確定しているが、実際の支払いは同年4月1日以降になる賃金も含む」という考え方をします。

(例)

① 給与が毎月末日締め、翌月25日支払いの場合

賃金計算期間:2026年3月1日~3月31日、支払日:2026年4月25日

3月までに支払いが確定しているので、令和7(2025)年度に含める

② 給与が毎月15日締め、翌月10日支払いの場合

賃金計算期間:2026年2月16日~3月15日、支払日:2026年4月10日

3月までに支払いが確定しているので、令和7(2025)年度に含める

賃金計算期間:2026年3月16日~4月15日、支払日:2026年5月10日

3月までに支払いが確定していないので、令和7(2025)年度に含めない(令和8年度として考える)

雇用保険料率の変更時期

上記の例②の場合、雇用保険料率の変更は次のようになります。

賃金計算期間:2026年2月16日~3月15日、支払日:2026年4月10日

⇒3月までに支払いが確定しているので、令和7(2025)年度の雇用保険料率で計算する。

賃金計算期間:2026年3月16日~4月15日、支払日:2026年5月10日

⇒3月までに支払いが確定していないので、令和7年度に含めない。令和8(2026)年度の雇用保険料率で計算する。

【労務管理】被扶養者の年間収入の取り扱いが変わります(令和8年4月~)


令和8年4月1日以降※、被扶養者の認定における年間収入の取り扱いが変わります。

※扶養認定日が令和8年4月1日以降の場合

現時点では、厚生労働省の事務連絡により基本的な考え方が示されており、日本年金機構や全国健康保険協会からの具体的な手続き(添付書類等)は今後公表される予定です。

変更点のポイント

改正後、労働契約内容に基づいて年間収入を判断するようになるのが大きなポイントです。

令和8年3月31日まで(現行)

過去・現時点・将来の収入の見込みなどから、「残業代等を含めて」見込み年間収入を判断します。

令和8年4月1日以降(改正後) 「労働条件通知書」等の労働契約に基づいて、見込み年間収入を判断します。
労働契約段階では「予測しづらい残業代等は含めません」。
※諸手当や賞与は含めます。

扶養認定の基本的な枠組みは変わりません

収入要件など、扶養認定の基本的な考え方自体は従来どおりです。

扶養認定基準

  • 日本国内に住所(住民票)がある ※日本国籍がない場合や、海外居住の場合の例外あり
  • 主に被保険者によって生計を維持されている
  • 同居の場合:原則として収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
  • 別居の場合:原則として収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
  • 年収要件を満たす
年収要件
下記以外 年収130万円未満

その年の12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満

※扶養認定日が令和7年10月1日以降の場合で、配偶者以外

年収150万円未満
60歳以上または障害者 年収180万円未満

≪参考≫

【労務管理】健康保険法の扶養とは

制度改正の背景

いわゆる「年収の壁」を意識した就業調整により、労働力不足が生じていることへの対応です。
残業等による一時的な収入増で扶養から外れるリスクを抑制し、就業調整の緩和を図る狙いがあります。

労働条件通知書等で判断できない場合

労働条件通知書等に勤務時間が「シフト制による」などと書いてあって年間収入が不明確な場合や、そもそも労働条件通知書等の書類の提出がない場合が考えられます。その場合、給与明細書や課税(非課税)証明書等により判定することとなります。

課税(非課税)証明書とは

市区町村が発行する証明書で、以下の内容が記載されています。証明の内容は前年のものとなります。

  • 給与収入・公的年金等収入金額
  • 所得金額
  • 所得控除金額や内訳
  • 税額等

残業代の取り扱い

改正後は、扶養を認定する時点で明確に見込めない残業代等は年間収入に原則含めません。

そのため、給与明細書や課税(非課税)証明書等で結果的に年収が扶養認定基準を上回っていても、残業代等が『社会通念上妥当な範囲』であれば扶養認定を取り消す必要はないとされています。

社会通念上妥当な範囲とは

社会一般に通用している常識や見解に照らして妥当な範囲かどうか、という意味です。

金額のみでは判断せず、一時的な事情か、恒久的な労働時間増加か、などの事情も踏まえて総合的に判断されます。

不適切な運用への対応

残業代等の支給を前提としているのに労働条件通知書等によって不当に金額を低く記載していたことが判明した場合等は、扶養認定を取り消すこととして差し支えないとされています。事業主証明の提出を求められる可能性もあります。

≪参考≫

【労務管理】事業主の証明による被扶養者認定

なお、扶養認定後2年目以降、少なくとも年1回は保険者において被扶養者の認定の適否について確認を行うよう事務連絡にて通知されています。

現時点では、厚生労働省の事務連絡により基本的な考え方が示されている段階です。

今後、日本年金機構や全国健康保険協会等で具体的な手続きや必要書類が公表されましたらあらためてお知らせします。

【労使協定方式の最低賃金チェックは必須です!】


【10月以降の最低賃金改定で下回ると労使協定の再締結が必要です】

派遣事業で労使協定方式を採用している場合、「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」が、地域別最低賃金を下回らないよう設定しなければなりません。
近年、最低賃金の上昇幅が非常に大きいため、
4月時点で作成した労使協定の金額が、10月以降の最低賃金改定後に下回ってしまうケースが増えています。
特に注意が必要なのは以下の点です。
最低賃金を下回らないための重要なルール
  • 地域調整(地域指数をかけた段階)で、すでに最低賃金を下回ってはいけません
  • 前払い退職金制度を活用する場合も、**退職金を加算する前の段階(地域調整後)**で最低賃金と同等以上にする必要があります。
  • → 退職金上乗せ後の金額だけ見て安心しないでください。
令和8年度労使協定で地域は青森県の具体例。令和7年度の青森県地域別最低賃金は1,029円(令和7年11月21日発効)です。以下は、賃金構造基本統計調査、介護職員(医療・福祉施設等)を例にした比較です。
 
誤った例(地域調整後に最低賃金を下回っている)
0年1年2年3年5年10年20年
1基準値(賃金構造基本統計調査)1,1641,3251,4181,4531,5551,6612,065
2地域調整(青森 85.4%)9951,1321,2111,2411,3281,4191,764
3退職金(5%)上乗せ後1,0451,1891,2721,3041,3951,4901,853

→ 0年経験で995円となり、最低賃金1,029円を下回ってしまっています(NG)。

正しい例(地域調整後に最低賃金を確保)

0年1年2年3年5年10年20年
1基準値(賃金構造基本統計調査)1,1641,3251,4181,4531,5551,6612,065
2地域調整(青森 85.4%)1,0291,1321,2111,2411,3281,4191,764
3退職金(5%)上乗せ後1,0811,1891,2721,3041,3951,4901,853

→ 地域調整の段階で最低賃金1,029円を下限として設定(OK)。

なぜ毎年チェックが必要なのか?
  • 最低賃金は毎年10月頃に改定されていますが、改定後の金額を4月時点で正確に予測するのは困難です。
  • そのため、10月以降の改定タイミングで必ず確認を。
  • もし下回っていた場合 →速やかに同等以上の金額に引き上げた労使協定の再締結が必要です。
派遣事業所様におかれましては、
最低賃金改定の時期に必ず「地域調整後」の金額を再確認いただき、法令違反とならないようご注意ください。
ご不明点や労使協定の見直しが必要な場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。

【労務管理】健康保険法の扶養とは


次の要件すべてに該当した場合、健康保険法において扶養に入れることとなります。

  • 日本国内に住所(住民票)がある ※日本国籍がない場合や、海外居住の場合の例外あり
  • 主に被保険者によって生計を維持されている
  • 同居の場合:原則として収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
  • 別居の場合:原則として収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
  • ≪年間の収入要件≫を満たす
≪年間の収入要件≫とは

年間収入は、過去の実績ではなく「今後1年間の見込み収入」で判断します。

  1. 60歳以上または障害者の場合は、年収180万円未満
  2. (扶養認定日が令和7年10月1日以降の場合で、配偶者以外)その年の12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満の場合は、年収150万円未満
  3. 1.2.以外の場合は、年収130万円未満

同居しているかどうか

さらに、続柄によっては同居している必要があります。

同居している必要がない人

配偶者(未届の事実婚関係を含む)


子、孫、兄弟姉妹


父母、祖父母などの直系尊属

同居している必要がある人

上記以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)


内縁関係の配偶者の父母および子(内縁関係の配偶者が亡くなった後に引き続き同居する場合を含む)

 

 続柄の確認は90日以内に取得した住民票や戸籍謄本等で行いますが、それぞれのマイナンバーを記載して事業主が続柄を確認した旨を届書に記載した場合等は、書類を添付しなくても大丈夫です。

収入確認のための書類

1.所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族の場合

「所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族となっている者」は、事業主の証明があれば収入確認のための添付書類が必要ありません。

被保険者の税法上の合計所得金額が1,000万円を超える場合

注意点としては、被保険者の税法上の合計所得金額が1,000万円を超える場合です。

合計所得金額が1,000万円を超える場合、所得税法上の控除対象配偶者の適用が受けられません。

そのため、収入確認の証明書類が必要になります。

合計所得金額とは、次の(1)と(2)の合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額をいいます。
※申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。

(1)事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)
(2)総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額 

国税庁 令和7年分 年末調整のしかた源泉徴収義務者の方用情報より

健康保険法では非課税収入も含めて収入として計算

健康保険法では非課税収入も含めて収入として考えます。
そのため、所得税法の扶養であっても、「障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等の非課税対象となる収入がある場合」は、別途、受取金額のわかる通知書等のコピーが必要になります。

2.1以外を扶養に入れる場合の添付書類

「所得税法の規定による控除対象配偶者または扶養親族となっている者」以外を扶養とする場合は、次の添付書類が必要になります。

退職したことにより収入要件を満たす場合 退職証明書、離職票の写し
失業手当を受給中の場合、失業手当の受給終了で収入要件を満たすことになった場合 雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知の写し、受取金額のわかる通知書等のコピー
年金受給中の場合 現在の年金受取額がわかる年金額の改定通知書などの写し
自営による収入、不動産収入等がある場合

直近の確定申告書の写し

※必要経費を控除した額

その他の収入がある場合 上記に加えて課税(非課税)証明書

また、扶養に入れる人に障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等の非課税対象となる収入がある場合は、「受取金額のわかる通知書等のコピー」が必要です。

3.仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類

別居の場合でも、扶養に入れる人が「16歳未満」または「16歳以上の学生」の場合、学業等により自立的な生計維持が想定されないため添付書類は要りません。
それ以外の場合は、預金通帳等の写しなど「送金者名・受取人名・振込金額」が確認できる書類が必要になります。

【労務管理】離職票の被保険者期間とは


雇用保険に加入している労働者が退職した場合、事業主は雇用保険被保険者離職証明書(離職票)を作成して退職日の翌日から10日以内に管轄のハローワークに提出し、控えを退職者に交付します。

離職の日に59歳未満の労働者本人が「離職票は要らないです」と申告してきた時は、離職票の作成は不要です。離職の日に労働者本人が59歳以上の場合、本人が離職票の交付を希望しない場合でも離職票の交付が必要となります。

離職日以前2年間に通算して被保険者期間が12か月以上あるか

退職した後に失業等給付(いわゆる失業手当)をハローワークで受給するには、原則として「離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上」ある必要があります。

倒産・解雇等の理由により離職した場合や、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由によって離職した場合は、特定受給資格者や特定理由離職者に該当し、「離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上」あれば受給要件を満たします。

被保険者期間とは

被保険者期間は、離職日の翌日から過去に1か月ずつ区切った各期間について、下記どちらかに該当した場合に1か月として考えます。

  1. 賃金の支払いの基礎となる日数が11日以上ある
  2. (令和2年8月1日以降に離職した場合で1の要件(11日以上)が12か月ない場合)満1か月ある月において、賃金支払の基礎となった実働時間数が80時間以上ある

雇用保険に加入していた期間でも、上記の要件を満たしていない場合は失業等給付の受給のために必要な被保険者期間の月数としてはカウントされません。

被保険者期間は「離職日の翌日から過去に1か月ずつ区切った各期間」について確認するため、離職日と賃金締切日が異なる場合、各期間の日数は毎月の給与明細に記載されていた出勤日数とは異なるようになります。

時給や日給の方が雇用保険に入ってちょうど1年くらいで賃金締切日と異なる日で退職する場合、「離職票を見てみたら被保険者期間が12か月なかった」ということも考えられるため、退職前に確認することをお勧めします。

≪画像は厚生労働省雇用保険被保険者離職証明書についての注意より≫

賃金の支払いの基礎となった日には休業日が含まれるか

賃金の支払いの基礎となった日には、「休業手当が支払われた日」や「有給休暇を取得した日」も含まれます。

※休業手当…労基法第26条で定められているもので、使用者の責任によって労働者を休ませた場合に支払う手当。平均賃金の6割以上の額。

また、遅刻早退をした日など、所定労働時間すべてを勤務しなかった日も1日としてカウントされます。

ただし、疾病や負傷等が理由で賃金の支払いを受けなかった日は含まれません。

疾病、負傷、出産、事業所の休業等の理由で引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった場合、離職前2年間ではなく、それらの理由で賃金の支払いを受けることができなかった日数を加えた期間(最長4年間)において受給に必要な被保険者期間があるかが判断されます。

【労務管理】社会保険の対象となる報酬


社会保険に加入した場合、社会保険料は『労働の対償として受けるすべて』を合計した金額をもとに決められます。

社会保険(健康保険、厚生年金保険)の報酬の範囲

社会保険(健康保険、厚生年金保険)の報酬の範囲は、基本給、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当、年4回以上支給される賞与など、『労働の対償として勤務先から支給されるものすべて』です。

金銭だけでなく、通勤定期券や食事、住宅など「現物」で支給されるものも報酬として含めます。

臨時的な理由で支給されるものや、年3回以下の回数で支給の賞与などは、毎月の社会保険料の計算のもとになる報酬に含めません。
年3回以下の回数で支給される賞与は「標準賞与額」の対象となり、賞与分として社会保険料がかかるようになります。

労働保険(労災保険、雇用保険)の賃金の範囲

労働保険(労災保険、雇用保険)の賃金の範囲は、賃金、手当、賞与、その他どのような名称でも、『労働の対償として勤務先から支給されるものすべて』です。
定期券や回数券など、通勤のために支給する現物給与も賃金として含めます。

結婚祝金や退職金など「臨時のもの」や、出張旅費や宿泊費など「実費弁償」と考えられるものは賃金の範囲から除かれます。

また、従業員に福利厚生施設として勤務先が「住宅」を用意している場合、基本的には賃金として扱いませんが、住宅を用意されない従業員全員に対して「住宅分の均衡手当」を支給している場合は賃金となる場合があります。

『非課税所得』との違い

ここでよくわからなくなってしまいがちなのが、「通勤費は非課税じゃないの??」という『非課税所得』との違いです。

非課税所得は、社会政策その他の見地から所得税を課さないもので、所得税法および租税特別措置法等で規定されているものです。
非課税所得と社会保険の対象となる報酬は別の法律で定義されているものであり、考え方が違うため、混同しないよう注意が必要です。
「非課税」となっているものでも『労働の対償として勤務先から支給されるもの』は社会保険料の計算に含まれます。

厚生年金保険法
(用語の定義)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(略)
三 報酬 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受ける全てのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
四 賞与 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

健康保険法
(定義)
第三条
5 この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
6 この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

労働保険の保険料の徴収等に関する法律
(定義)
第二条 この法律において「労働保険」とは、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。以下「労災保険法」という。)による労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険(以下「雇用保険」という。)を総称する。
2 この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。
3 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

チケットレストランは社会保険料の対象になるか

現金支給よりオトクな食事補助としてチケットレストランというプリペイドカード形式のサービスがあります。

勤務先から支給される金額に対して、一定額以上を従業員が負担することで「非課税扱い」で食事代を補助できるサービスです。

チケットレストラン

チケットレストランは健康保険・厚生年金保険の報酬として含まれるのか

「非課税」のものも『労働の対償として勤務先から支給されるもの』は社会保険料の計算に含まれることは上述したとおりですが、チケットレストランを毎月7,000円支給し、そのうち従業員負担が3,500円の場合について念のため年金事務所に確認をしてみたところ、

「業務時間外も使えるものなので、会社負担分のみを報酬として扱う取扱いが一般的。社会保険上、報酬としての取り扱いであり、現物給与としての取り扱いとはならない。」いうことでした。過去に本部へ疑義照会があがっている内容のようでした。

現物給与とは

勤務先から「労働の対償として現物で支給されるもの」がある場合、その現物の価額も含めて社会保険料を算定するようになります。
現物で支給されるものが、食事や住宅である場合、「全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)」を元に計算します。

チケットレストランは雇用保険・労災保険の賃金として含まれるのか

労基署に確認したところ、「チケットレストランが労災・雇用保険の対象になるかは、会社が『労働の対価として払うかどうか』の認識による。」ということでした。


社会保険は『労働の対価』としての認識し、労働保険は「労働の対価としての認識ではない」という道理は通らないでしょうから、労働者に支給する場合は雇用保険・労災保険の対象となる賃金として含めて考えるのが自然といえるでしょう。

【労務管理】安全配慮義務とは


安全配慮義務とは、使用者が労働者の生命・身体、そして心身の健康を守りながら働けるよう、労働契約に伴って必要な配慮を行う義務をいいます。
この義務は、労働契約法第5条に明文化されています。

労働契約法
(労働者の安全への配慮)
第5条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

ここで重要なのは、安全配慮義務が「労働者と特別な約束をしていなくても、労働契約に当然に付随する義務」であるという点です。
労働者の労務提供に対して賃金を支払う義務と並ぶ、使用者の基本的な契約上の義務であると位置づけられています。

判例で確立された「当然の義務」

安全配慮義務は、もともと判例によって認められてきた考え方です。
代表的なものとして、以下の最高裁判例があります。

  • 陸上自衛隊事件 昭和50年2月25日最高裁第3小法廷判決
  • 川義事件 昭和59年4月10日最高裁第3小法廷判決

特に川義事件では、
「通常、労働者は使用者が指定した場所、設備、器具等を用いて労務を提供するため、使用者は、賃金支払義務だけでなく、労働者の生命・身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っている」
と明確に示しました。

このような判例の積み重ねを背景として、労働契約法第5条が制定されています。

「生命、身体等」には心身の健康も含まれる

労働契約法第5条の「生命、身体等の安全」には、心身の健康、つまりメンタルヘルスも含まれるとされています。
そのため、安全配慮義務には、単なる事故防止にとどまらず、

  • 長時間労働
  • ハラスメント
  • 強い心理的負荷がかかる業務

といった、心身の健康を害するリスクへの配慮も対象となります。

労働安全衛生法との関係

労働安全衛生法第3条では、事業者の責務として次のように定めています。

労働安全衛生法
(事業者等の責務)
第3条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。

ここで押さえておきたい実務上のポイントは、
「労働安全衛生法を守るだけでは事業者が完全に安全配慮義務を果たしたことにはならない」という点です。

労働安全衛生法はあくまでも最低限の守るべき事項です。
使用者は、法で定めた基準以外の労働災害発生の危険防止についても安全配慮義務を負っています。

個別具体的な状況に応じた配慮が不足していれば、安全配慮義務違反と判断され、民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。
刑事責任(労働安全衛生法違反)と民事責任(安全配慮義務違反)は必ずしも一致しないからです。

安全配慮義務の具体的内容

安全配慮義務の中核は、次の2点に整理できます。

  1. 危険発見・・・職場や作業内容に潜む事故や健康障害のリスクを把握・予測すること
  2. 事前排除(予防)・・・リスクを除去または低減し、残存リスクについては作業者に周知・教育・対策を行って、危険が顕在化しないように対策をする

これらは一律の対応が求められるものではなく、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められます。

労務担当者が押さえるべき実務ポイント

労務担当者としては、次の視点が重要になります。

  • 法令遵守だけでなく、実態に即したリスクの洗い出し
  • 職場環境や業務内容の定期的な見直し
  • メンタルヘルス対策や相談体制の整備
  • 事故・トラブルの「予兆」を見逃さない仕組みづくり

安全配慮義務は、企業を守るためのリスクマネジメントであると同時に、働く人が安心して力を発揮できる職場づくりの土台でもあります。

安全配慮義務を「考えるため」の見える化無料ワークシート

「安全配慮義務」と聞くと、何か難しい特別な対策をしなければならないのでは、と不安になる方も多いのではないでしょうか。

特に小規模事業者の場合、

  • 専任の労務担当者がいない
  • 法律の情報が多すぎて、どこまでやればいいのか分からない

という声をよく耳にします。

まずは自社の状況を整理し、考え、必要な対策をしていくことが大切です。

そこで今回は、小規模事業者の方が「考えるところから始められる」安全配慮義務の見える化シート(Word版)を無料でご紹介します。

専門知識がなくても書けるよう、あえて細かいチェックリストにはしていません。

下記より、無料でダウンロードできますので、まずは書けるところから使ってみてください。

※判断に迷う場合や対応に不安がある場合は、放置せず、専門家にご相談ください。

【派遣許可の資産要件を今すぐクリアしたい!監査証明を使った最短申請方法】


【決算を待たずに資産要件を満たす「増資+監査証明」の具体的手順】

労働者派遣事業の許可を取得しようとしたら、「資産要件を満たしていない…」と判明して焦った経験はありませんか?
労働者派遣事業の許可基準である資産要件は以下の3つをすべて満たす必要があります。
基準資産額(資産総額※-負債総額)
 ⇒ 2,000万円 × 派遣事業を行う事業所数 以上  
基準資産額が負債総額の1/7以上であること  
自己名義の現金預金
 ⇒ 1,500万円 × 派遣事業を行う事業所数 以上
※繰延資産および営業権を除く

 

「次の決算まで待てない」「できるだけ早く許可を取りたい」という方は多いと思います。
実は決算期を待たずに資産要件をクリアする方法があります。それが「公認会計士または監査法人による監査証明」を使う方法です。

 

具体的な手順
1.現在の資産状況を確認  
2.不足分を増資などで補填  
3.中間決算または月次試算表を作成  
4.公認会計士・監査法人に監査証明をもらう  
5.監査証明付きの中間決算書等を添付して許可申請

 

これで最短1~2ヶ月程度で資産要件をクリアした状態で申請が可能になります。
弊事務所では
・資産要件をクリアするための増資スキーム提案
・信頼できる公認会計士のご紹介
・許可申請書類一式の作成代行
を対応しております。
「今すぐにでも派遣事業を始めたい!」という方は、まずはお問合せください。

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