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【派遣料金の明示、できていますか?】

【労働局調査で指摘されやすい「見落としポイント」を解説】

派遣元事業主の皆さま、労働局の調査で「派遣料金の明示をしていない」と指摘された経験はありませんか?

実は、派遣料金の明示は意外と見落とされがちです。
「賃金はきちんと説明しているのに、料金までは…」というケースが多く見られます。

今回は、労働者派遣法で義務付けられている「派遣料金の明示」について、わかりやすく整理します。
これを機に、自社の運用を確認してみてください。

1.いつ明示が必要なのか?

派遣元事業主は、次の3つのタイミングで、派遣労働者に対して「派遣料金の額」を明示しなければなりません。

① 労働者を「派遣労働者として」雇い入れようとするとき
② 実際に労働者派遣をしようとするとき

③ 派遣料金の額を変更するとき

この明示は、派遣労働者が自分の賃金と派遣料金の差(いわゆるマージン)を知るための重要な情報です。
派遣会社を選ぶ際の判断材料にもなるため、法律で義務付けられています。

2.明示すべき「派遣料金の額」は?

次の2つのうち、いずれかを選べます。

⑴ 当該派遣労働者本人に係る労働者派遣に関する料金の額
⑵ 派遣元事業所における派遣料金の平均額(前事業年度の派遣労働者1人1日あたりの平均額)

単位は時間額・日額・月額・年額など自由ですが、「時間額で○○円」「日額で○○円」など、単位がはっきりわかるように明示する必要があります。

3.明示の方法は?

口頭だけでは不十分です。
以下のいずれかの方法で行ってください。

  • 書面の交付
  • ファクシミリ
  • 電子メールなど

実務では「就業条件明示書」に追記して対応しているケースが多く見られます。

就業条件明示書に、自社で欄を追加するなどの工夫が必要です。

 4.明示のし忘れを防ぐための実務ポイント明示漏れを防ぐために、次の対応をおすすめします。

  • 雇い入れ時の雇用契約書(派遣労働者用)に派遣料金の項目を設ける
  • 就業条件明示書のフォーマットに派遣料金欄を常設する
  • 派遣料金が変更になった場合の再明示ルールを社内で明確にしておく

「賃金は明示したのに料金は漏れていた」という指摘は、調査でよく見られるポイントです。
一度整備しておけば、安心して対応できます。

まとめ

派遣料金の明示は、派遣労働者の権利保護と、派遣元事業主のコンプライアンスの両面で重要な義務です。
「やっていない」「よくわからない」という状態のままでは、労働局調査で指摘を受けるリスクが高まります。

自社の書式や運用を今一度確認し、必要に応じて見直しを進めてみてください。
ご不明な点がございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。

【労務管理】育児・介護休業における雇用環境整備とは

育児・介護休業法では、労働者が育児休業や介護休業、両立支援制度などを利用しやすくするため、事業主に「雇用環境整備」が義務付けられています。

労働新聞社の記事によると、大阪労働局が令和7年度に実施した育児・介護休業法に関する是正指導等は1,309件となり、前年度から5倍を超える件数となっているようです。

その中でも特に目立っているのが、研修の実施や相談窓口の設置など、1つ以上の措置を講じることが求められている『雇用環境整備』です

育児休業については、雇用環境整備が令和4年4月から義務となっています。介護についても、令和7年4月から雇用環境整備が義務となりました。

「育児休業の制度は就業規則に書いてあるから大丈夫」と考えている会社もあるかもしれませんが、雇用環境整備は、就業規則を整備することに加えて対応が必要な場合があります。

「雇用環境整備」とは?

育児休業・出生時育児休業については、労働者が申出を円滑に行えるようにするため、事業主は次の1~4のいずれかの措置を講じる必要があります。

  1. 育児休業・出生時育児休業に関する研修の実施
  2. 育児休業・出生時育児休業に関する相談体制の整備(相談窓口の設置)
  3. 自社の労働者の育児休業・出生時育児休業の取得事例の収集・提供
  4. 自社の労働者へ育児休業・出生時育児休業制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

4つすべてを実施しなければならないわけではなく、1~4のうち、いずれか1つ以上を実施する必要があります。

介護についても同様に、介護休業や介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるよう、次の1~4のいずれかの措置を講じる必要があります。

  1. 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
  2. 介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口の設置)
  3. 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用事例の収集・提供
  4. 自社の労働者への介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

和歌山労働局のHPにひな形がまとめられています

「雇用環境整備が必要なのは分かったけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」という場合には、和歌山労働局のホームページに掲載されている資料が参考になり、活用しやすいと思います。

和歌山労働局 個別の制度周知・休業取得意向確認と雇用環境整備の措置等

例えば、育児休業については、次のような資料が掲載されています。

・個別周知・意向確認書記載例(最小限版)
・個別周知・意向確認書記載例(詳細版)
・事例紹介、制度・方針周知ポスター例【厚生労働省作成】
・相談窓口周知チラシ例【労働局作成】

また、介護についても、個別周知・意向確認書の記載例や、相談窓口の周知などに利用できる資料が掲載されています。

特に、相談窓口の設置については、「相談窓口を設置してください」と言われても、どのように社内へ周知すればよいのか迷うことがあります。

そのような場合には、労働局が作成した相談窓口周知用の資料を参考にして、自社用に担当者名や連絡先などを記載して、社内掲示や従業員への周知に活用することもできます。

労働者が制度を利用しやすい環境を整えているか

育児・介護休業法については、就業規則を整えることに加えて、実際に労働者が制度を利用しやすい環境が整っているかについても確認しておくことが重要です。

まずは、次の点を確認してみましょう。

  • 育児休業について、雇用環境整備の措置を1つ以上実施しているか
  • 介護について、雇用環境整備の措置を1つ以上実施しているか
  • 相談窓口を設け、従業員に周知しているか
  • 制度や利用促進について、従業員に分かりやすく周知しているか
  • 妊娠・出産等の申出があった場合の個別周知・意向確認を行う体制ができているか
  • 介護に直面した旨の申出があった場合の個別周知・意向確認を行う体制ができているか

【労務管理】長時間労働で労基署の指導を受けた会社は、何が問題だったのか

厚生労働省から、令和7年度に「長時間労働が疑われる事業場」に対して実施した監督指導の結果が公表されました。

令和7年4月から令和8年3月までに、29,150事業場に対して監督指導が行われ、そのうち22,882事業場(78.5%)で労働基準関係法令違反が認められました。

主な違反は、

  • 違法な時間外労働11,228事業場(38.5%)
  • 賃金不払残業1,901事業場(6.5%)
  • 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの5,919事業場(20.3%)

となっています。

また、健康障害防止のために改善を指導した事業場は12,811事業場、労働時間の把握方法が不適正なため指導した事業場は4,045事業場に上っています。

では、実際に労働基準監督署の監督指導を受けた会社では、どのような問題があったのでしょうか。厚生労働省が公表した3つの事例をご紹介します。

厚生労働省が公表した3つの事例

事例1 36協定の上限を超える長時間労働

電気設備工事業を営む事業場(労働者約20人)では、現場労働者7人について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月99時間)を超え、さらに労働基準法の時間外・休日労働の上限(月100時間未満、複数月平均80時間以内)も超える違法な時間外・休日労働が認められました。

最も長い労働者では、1か月当たり237時間の時間外・休日労働が行われていました。また、休憩時間中に働いた労働時間の一部が適正に把握されていない状況も確認されました。

労働基準監督署からは、36協定の上限時間を超えて時間外労働を行わせたことなどについて是正勧告が行われました。

その後、会社では現場労働者を14人増員するとともに、始業・終業時刻を電子機器から入力できるシステムを導入。労務管理責任者を現場に常駐させ、出退勤時間をリアルタイムで把握できるようにしました。

その結果、労働時間を適正に把握できるようになり、時間外・休日労働時間数も大幅に削減され、法律違反が解消されています。

事例2 実際の労働時間を適正に把握できていなかった

ソフトウェア業の事業場(労働者約400人)では、システム開発や改修業務を行っていたプロジェクトリーダーが、長時間労働を原因とする脳出血で死亡したとして労災請求が行われ、監督指導が実施されました。

この労働者には、システムトラブルへの対応や部下の指導などの業務が集中しており、休日出勤などの記録にも過小申告がみられました。実際の労働時間が適正に把握されておらず、最長で1か月125時間の違法な時間外・休日労働が認められました。

労働基準監督署からは、36協定で定めた上限時間を超えて時間外・休日労働を行わせたことについて是正勧告が行われたほか、時間外・休日労働を1か月当たり80時間以内とするための具体的方策を検討するとともに労働時間を適正に把握するよう指導されました。

会社では、入退室時間を自動反映する勤怠システムを後から修正できる仕様を見直したほか、非効率な業務の洗い出しや、手作業によるデータ入力・複数の承認フローの簡素化などを行いました。

さらに、ITツールなどを活用して、管理者が従業員の業務量や時間外労働時間数を把握できる体制に見直しました。その結果、時間外・休日労働時間数が大幅に削減され、法律違反も解消されています。

事例3 勤怠記録とパソコンの使用記録に乖離

河川の管理業務を行う事業場(労働者約130人)では、労働者が記録していた始業・終業時刻と、パソコンの使用時間記録との間に、1時間以上の乖離がある日が複数確認されました。

さらに、勤怠記録上は休日や年次有給休暇として処理されている日にもパソコンの使用記録がありましたが、事業場では、その理由を把握していませんでした。

実態調査を行ったところ、36協定の上限時間(月91時間)を超え、労働基準法の上限も超える時間外・休日労働が確認され、最長では1か月199時間に達していました。また、把握していた労働時間分のみ賃金を支払っていたため、割増賃金の不足も生じていました。

労働基準監督署からは労働時間を適正に把握するよう指導を受けたほか、違法な時間外・休日労働への是正勧告、割増賃金の不足額を遡及して支払うことについて是正勧告が行われました。

会社では、勤怠記録とパソコンのログに乖離がないかを管理者が確認する仕組みを整え、労働時間の管理を徹底しました。その結果、時間外・休日労働時間数が大幅に削減され、法律違反も解消されています。

監督指導の結果からあらためて確認したいこと

今回の事例を見ると、長時間労働を防ぐためには、単に「残業時間が多いか」を確認するだけでは不十分です。自社で次の3点を確認してみることをお勧めします。

① 36協定の上限を超えていないか

36協定を締結・届出している場合でも、実際の時間外・休日労働が36協定で定めた上限の範囲内に収まっているかを確認する必要があります。

特に、特別条項付きの36協定を締結している場合は、特別条項を適用できる回数や発動手続きを協定どおりに行うこと、時間外・休日労働の上限を適切に管理できているかなどを確認しましょう。

② 実際の労働時間を正しく把握できているか

今回の3事例では、休憩時間中の労働、休日出勤、勤怠記録とパソコンの使用記録の乖離など、実際の労働時間を正しく把握できていないことが問題となっています。

タイムカードや勤怠システムの記録だけでなく、実際の働き方(入退室管理、パソコンの使用記録など)が一致しているかを確認することが大切です。

③ 長時間労働者の健康管理ができているか

長時間労働は、労働時間の上限だけでなく、労働者の健康にも関わる問題です。

長時間労働となっている労働者を適切に把握し、必要な健康管理や医師による面接指導につなげられる体制になっているかについても、確認しておくことが求められます。

【令和9年度適用する労使協定方式「一般の労働者の平均的な賃金額」が発表されました。】

【労使協定イメージも公開されています。】

厚生労働省から令和9年度適用「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」が発表されました。
厚生労働省で発表されたURLはこちらです。

令和8年度からの変更点や注意点は、下記の通りです。
① 通勤手当を時給に含んで支給する場合の1時間当たりの単価が67円に12円引き下げられました。
② 前払い退職金や中小企業退職金共済制度等として一般賃金・賞与等に乗じる割合は昨年度と同じ5%のままでした。

①の令和9年度適用の一般通勤手当の額が低下することにより、協定派遣労働者の通勤手当の額を引き下げる事は労使での十分な協議が必要な事や、現在就業している派遣労働者の通勤手当を引き下げる事は労働契約法第9条に基づき、原則として労使双方の合意が必要であることに留意が必要です。

例年だと年明けに公表される【令和9年度適用、労使協定イメージ】もすでに公開されていますので、協定作成の参考に利用できます。

令和9年4月1日からの賃金額適用と少し先ではありますが、
平均賃金額上昇による派遣先との派遣料金の交渉、労使協定作成などの準備を少しずつ進める必要があります。

弊社では、派遣労使協定の作成アドバイスも行っております。作成について不明点がある、法令に準じる適正な内容になっているか不安がある派遣元会社様はお気軽にお問い合わせください。

【労務管理】スーパー銭湯でマッサージに従事していた者の労働者性の判断

労災の給付を申請したものの不支給とされた場合、まず労働者災害補償保険審査官に審査請求ができます。その決定にも納得できない場合は、さらに労働保険審査会に再審査請求をすることができます。

労働保険審査会

労災保険や雇用保険の給付決定に対する不服申立てについて、再審査請求の審理・裁決を行う厚生労働省の機関。

労災保険法が適用される労働者

労災保険法が適用される労働者とは、労働基準法における労働者性の判断と同様に、契約の形式ではなく、実際の働き方などを踏まえて判断されます。

スーパー銭湯でマッサージに従事していた者の労働者性の判断を求めた事件

スーパー銭湯でマッサージに従事していた者の労働者性の判断を求めた事件についてご紹介します。(令和元年労第322号)

事件の概要

請求人はスーパー銭湯内のマッサージ店においてリラクゼーションマッサージを施術する者。
マッサージ施術中に右肩に傷病を負い、業務上の事由によるものであるとして労働基準監督署に療養補償給付の請求をしたものの、不支給とされたので、行政の決定を不服として審査請求をしました。

裁決の内容

請求人の主張は認められず、再審査請求は棄却されました。

次の「労働者性の判断のポイント」を総合的に判断した結果、請求人と事業場との間に使用従属関係は認められず、請求人は労災保険法の適用のある労働者とはいえないと判断されました。
そのため、本件の傷病が業務上の事由によるものかどうかを検討するまでもなく、労災保険の給付対象とはなりませんでした。

労働者性の判断のポイント

(昭和60年労働基準法研究会報告より)

1.「使用従属性」に関する判断基準
(1)「指揮監督下の労働」
仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
業務遂行上の指揮監督の有無
拘束性の有無
代替性の有無
(2)「報酬の労務対償性」に関する判断基準
2.「労働者性」の判断を補強する要素
事業者性の有無
専属性の程度
その他

1.「使用従属性」に関する判断基準
(1)指揮監督下の労働にあるか
仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示等に対する諾否の自由の有無について

仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示等に対する諾否の自由の有無については、当該請求人には出勤について諾否の自由があり、出勤の頻度やシフトの調整をすることが可能な実態であった。また、請求人の平成30年の出勤日数をみると、1月~8月まで、勤務なし~12日間程度と出勤日数が少ない。

業務遂行上の指揮監督の有無について

業務遂行上の指揮監督の有無については、事業場従業員であるトレーナーはマッサージ師の中の誰が顧客の施術をするか等の業務の段取りを行っていたが、請求人が指揮監督を受けていたとはいえない。

なぜかというと、顧客から指定されたコースにおいてどのように施術を行うかなどについてはおおむね各マッサージ師の裁量に任されていたと認められる。トレーナーが、請求人に対して、顧客にどのように施術を行うかなどの業務の具体的内容について逐一業務指示をしていたとは認められない。

場所的・時間的拘束性の有無について

場所的・時間的拘束性の有無については、請求人はマッサージ師としての業務の性質上、事業場においてシフトで決められた時間に業務を行うことから、場所的拘束性はあった。
しかし、時間的拘束性は高いとは言えない。一部の期間のタイムカードは存在するものの、タイムカードで事業場が時間管理を行っていた事実は認められず、また、出勤日は自由度の高いシフト制であることや、シフト以外の日に兼業することは禁止されていない。

代替性の有無について

代替性の有無については、事業場のトレーナーがシフトを組んでいるため、請求人のシフト部分に事業場の許可なく他の人が替わることはないため、代替性は認められない。

(2)報酬の労務対償性

請求人の報酬は、施術コースに応じて支払われる。実態は、出勤日数に最低保証分の金額を掛けて算出される金額から保険等の諸経費を差し引いた金額となっている。そうすると、請求人の報酬は、施術コースに応じて支払われる業務委託料としての性質があり、労務対償性はないものと判断された。

2.「労働者性」の判断を補強する要素
事業者性の有無

請求人は、確定申告は自分でしており、雇用保険や社会保険の被保険者ではないことは、事業者としての性格を強める要素となる。

専属性の程度

出勤日の自由度の高いシフト制であることや、シフト以外の日に兼業することは禁止されていないことから、専属性の程度は低く、事業者性を強める要素となる。

【労務管理】2026年10月から国民年金保険料の育児免除制度が始まります

育児期間中の経済的な支援として、国民年金第1号被保険者が1歳までの子を養育する場合、国民年金保険料の納付が免除される育児免除制度が2026年10月から新たに始まります。

国民年金第1号被保険者とは

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人のうち、自営業者、農業者、学生、無職の方など、第2号・第3号被保険者でない方。

※20歳以上65歳未満で海外に住んでいる日本人など、希望して国民年金に任意加入する任意加入被保険者もいますが、任意加入被保険者は国民年金育児免除制度の対象ではありません。

国民年金保険料の育児免除制度の対象となる人

国民年金第1号被保険者のうち、令和8年10月1日以降、1歳になるまでの子を養育する実父母・養父母が対象となります。

子を養育する実父母・養父母とは、(1)と(2)どちらの条件も満たす人です。
(1)子と身分(親子)関係が継続していること
(2)子と同一住所であること

所得要件や性別要件はありません。
第1号被保険者であれば、夫婦ともに育児免除制度の対象です。

なお、子は、実子および養子のほか、特別養子縁組の監護期間にある子等も対象となります。

国民年金保険料が免除される期間

子が1歳になる誕生日の前月までが免除される期間となります。

実母で国民年金保険料の産前産後期間の免除制度を受けている場合、引き続く9カ月間、国民年金保険料が免除されます。
実父・養父母や、産前産後免除期間を有しない実母の場合、子を養育することとなった日の属する月から、1歳になる誕生日の前月までの期間が対象となります。

※すべて令和8年10月1日以降の期間に限ります。
令和8年10月1日よりも前から子を養育している場合、令和8年10月1日以降、子が1歳になる誕生日の前月までの期間が育児免除に該当します。

育児免除の手続き

要件に該当した場合、原則として自分ですみやかに届出をする必要があります。

※実母で産前産後免除制度の対象となっており、産前産後免除期間が令和8年9月以降に終了して引き続き子を養育していることが日本年金機構において確認できる方は、届出の必要はありません。
※令和8年10月1日よりも前から子を養育している場合は、令和8年10月1日以降に届出する必要があります。

  • 届出先:住民登録をしている市役所・町村役場の国民年金担当窓口
  • 電子申請の場合:マイナポータルから

なお、育児免除を受けた後、要件に該当しなくなった場合(子と同居しなくなった場合等)は、育児免除終了の手続きをする必要があります。ただし、子が1歳に到達し、期間満了となった際は手続き不要です。

育児免除期間は保険料を納付したものとして反映

育児免除期間として保険料の納付が免除された期間は、保険料を納付したものとして、将来の老齢基礎年金の受給額に反映されます。

また、すでに保険料を納付している期間や、法定免除に該当している期間、国民年金保険料免除・納付猶予、学生納付特例が承認されている期間についても、届出することで育児免除期間として取り扱われます。
保険料を納付している期間の保険料は、充当または還付されます。

【労務管理】シフト制労働者の年次有給休暇の付与日数の考え方

使用者は、一定の要件を満たした全ての労働者に対して年次有給休暇を与えなければなりません。

労働基準法
(年次有給休暇)
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

年次有給休暇は、業種や業態に関わらず、また、正社員やパートタイムなど働き方の区分なく付与されます。
フルタイム労働者ではないパートタイムなどでも、一定の要件を満たす場合は、所定労働日数に応じて比例して付与されます。

法律および厚生労働省令で定められている付与日数

(1)通常の労働者の付与日数
継続勤務年数6カ月1年6カ月2年6カ月3年6カ月4年6カ月5年6カ月6年6カ月以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日
(2)週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数
継続勤務年数と付与日数
週所定労働日数1年間の所定労働日数※6カ月1年6カ月2年6カ月3年6カ月4年6カ月5年6カ月6年6カ月以上
4日169日~216日7日8日9日10日12日13日15日
3日121日~168日5日6日6日8日9日10日11日
2日73日~120日3日4日4日5日6日6日7日
1日48日~72日1日2日2日2日3日3日3日

※週以外の期間によって所定労働日数が定められている場合

シフト制の場合の所定労働日数の考え方

正社員などのフルタイム労働者や、パートタイムなどの働き方でも「所定労働日:月~木曜日、▲時~■時」のように固定の勤務体系だと週所定労働日数が(1)または(2)のどれに当てはまるか分かりやすいのですが、シフト制での勤務の場合、労働契約の締結時点では労働日や労働時間が具体的に定められておらず、勤務シフトによって具体的な労働日や労働時間が決まり、結果的に月や週によってバラつきがあることも珍しくありません。

このようにあらかじめ所定労働日数が明確に定められていない場合でも、年次有給休暇の付与は必要です。このようなケースで付与する年次有給休暇の日数について、厚生労働省から「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の 適切な雇用管理を行うための留意事項」が公表され、考え方が示されました。

所定労働日数を算出しがたい場合には、次の日数を、基準日における1年間の所定労働日数とみなして年次有給休暇の付与日数を算出して差し支えありません。
・雇入れ6か月経過後の年次有給休暇の付与に当たっては、雇入れから6か月の労働日数の実績を2倍した日数
・雇入れ1年6か月経過後以降の年次有給休暇の付与に当たっては、前年の労働日数の実績

年次有給休暇を付与する最初のタイミングは雇い入れ後6か月経過したときですが、その場合はまだ1年間勤務していないため、6か月間の実労働日数を2倍にして1年間の所定労働日数とみなします。
2回目以降(雇入れ1年6か月経過後以降)は、前年1年間の労働日数の実績を1年間の所定労働日数とみなして算出します。

なお、シフト制の労働条件として一定の目安が労働条件で定められているときは、その日数を所定労働日数とみなして算出した年次有給休暇の付与日数が、実労働日数を用いて算出した付与日数を上回る場合に限って「目安となる労働日数」等を用いて年次有給休暇の付与日数を算出しても差し支えないとされています。

シフト制の労働条件として一定の目安が労働条件で定められているときの例
「毎週月、水、金曜日から勤務する日をシフトで指定する」
「1か月○日程度勤務」、「1週間当たり平均○時間勤務」、「1か月○日以上勤務」
「少なくとも毎週月曜日はシフトに入る」など

【労務管理】社会保険の現物給与の価額と住宅の計算方法の変更

健康保険法や厚生年金保険法では、通貨以外の現物で報酬が支払われる場合、その価額を厚生労働大臣が定めることとしています。

健康保険法
(現物給与の価額)
第四十六条 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定める。
2 健康保険組合は、前項の規定にかかわらず、規約で別段の定めをすることができる。

厚生年金保険法
(現物給与の価額)
第二十五条 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によつて、厚生労働大臣が定める。

通貨以外の現物給与とは

現物給与とは、具体的には「食事」や「住宅」、「通勤定期券」、自社製品等その他のものです。

社会保険の保険料の基礎となる標準報酬月額を決める際、「現物給与の価額」も含めることになります。
現物で支給されるものが、食事や住宅である場合は、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働省告示)に定められた額に基づいて通貨に換算します。
自社製品等その他のもので支給される場合は、原則として、「労働協約に定めがある場合はその価格」を時価とし、労働協約に定めがない場合は「実際費用」を時価とします。

全国現物給与価額一覧表(厚生労働大臣が定める現物給与の価額)

食事や住宅の現物給与の価額は都道府県ごとに定められており、被保険者の人事・労務・給与管理をしている事業所所在地の地域の価額により算定します。

住宅は、居住面積1畳当たりの価額から総面積1㎡当たりの価額に変更

2026年9月までは、一畳あたりの単価が定められていて現物給与の価額を計算していましたが、2026年10月からは総面積1平方メートルにつき定められた単価により計算することとなります。

また、住宅の現物給与の価額に「玄関、台所(炊事場)、トイレ、浴室など居住用以外の部屋や、店、事務室、旅館の客室などの営業用の部分」は含めないルールになっていましたが、2026年10月以降は含めて計算することとなります。

2026年9月まで 2026年10月以降

居住用の室(居間、茶の間、寝室、客間、書斎、応接間、仏間、食事室など)を対象とする。


※玄関、台所(炊事場)、トイレ、浴室、廊下、農家の土間など居住用以外の室、また、店、事務室、旅館の客室などの営業用の室は含めない。
※居住用と居住用以外が混在している室(ダイニング・キッチン等)は、居住用以外の空間を除いて算定すること。

居住する住宅における床面積の合計(総面積)を対象とする。


※総面積には、居住用の室のほか、玄関、台所(炊事場)、トイレ、浴室、廊下、農家の土間、押し入れなどや店、事務室などの営業用に使用している部分の面積も含める。
(ただし、別棟の物置・車庫の面積や商品倉庫・作業場など営業用の付属建物の面積は含めない)

図は日本年金機構「令和8年4月から現物給与の価額が改正されます」より

現物給与価額の改正は、固定的賃金の変動に該当

現物給与価額の改正は、固定的賃金の変動に該当します。そのため、現物給与の価額変更後、月額変更に該当するか確認が必要となります。

【令和8年10月1日施行の派遣法改正(同一労働同一賃金関係)について】

【雇い入れ時・派遣時の明示事項に追加が必要となります】

厚生労働省より、令和8年10月1日施行の派遣法改正が公表されました。

改正内容の詳細は、厚生労働省のページにも記載されています。

主な改正ポイント(4点)

  1. 雇い入れ時・派遣時の明示事項の追加
    「待遇の相違の内容・理由に関する説明を求めることができる旨」を追加。
  2. 同一労働同一賃金ガイドラインの改正
  3. 公正な評価による待遇の改善
  4. 派遣先の便宜供与施設に「駐車場」が追加

派遣元会社が準備・対応すべき主な事項
① 雇い入れ時・派遣時の明示対応
10月1日以降に労働者を雇い入れる場合、または派遣する場合には、上記1の文言を明示事項に追加する必要があります。
明示書のひな形は厚生労働省ページに掲載されています。
(派遣時の明示は、就業条件明示書に追加して兼用することも可能です)
派遣労働者から説明を求められた場合は、合理的な理由をわかりやすく説明する必要があります。
今回の改正の背景には、「自分の賃金が不当に低い」「労使協定方式でどこに該当するのかわからない」といった派遣労働者からの声が多数寄せられたことがあるようです。

② 賞与・退職金・諸手当等の見直し
派遣元会社の正社員と派遣労働者の間で、不合理な待遇差がないか改めて確認してください。

③ 派遣労働者の評価体制の見直し
適切な時期に、派遣労働者の職務内容・成果・意欲・能力などを公正に評価し、能力・経験指数への当てはめを行う必要があります。
希望労働者には、評価結果のフィードバックを実施する必要があります。
評価が不十分だと、労使協定方式が認められず「派遣先均等・均衡方式」と判断されるリスクがあります。
あわせて、派遣労働者にはキャリアコンサルティングの受講を推奨し、希望に沿った教育訓練や就業機会の確保に努めましょう。

④ 駐車場の便宜供与
派遣先企業に対して、駐車場の提供が可能かどうかを確認してください。


改正に関する詳細や具体例については、今後さらに追加情報が公表される見込みです。
特に同一労働同一賃金ガイドラインに関する改正では、派遣元社員と派遣労働者の賞与や諸手当の取り扱いについて、現時点で不明点が多く残っています。
最新情報の公表を注意深く確認していきましょう。

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