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【最低賃金引き上げに備える!企業が今すぐ準備すべきこと】

【人手不足を防ぐための対策も必要】

令和7年度の最低賃金の目安が発表され、全都道府県で最低賃金が1,000円を超え全国加重平均で63円引きあがる目安です。これは過去最大の引き上げ幅となり、特に中小企業にとって大きな影響が予想されます。最低賃金の改定は、企業の賃金体系や人材確保に直接関わる重要なテーマです。この記事では、最低賃金引き上げに備えて企業が準備すべきポイントをわかりやすく解説します。

  1. 時給制従業員の賃金見直し

最低賃金を下回る賃金を支払うことは法令違反となります。以下を確認・対応しましょう
現在の時給チェック:すべての時給制従業員の賃金を確認し、新たな最低賃金を下回っていないか検証します。
賃金調整:最低賃金を下回る場合、速やかに時給を改定。従業員とのコミュニケーションも忘れずに行い、変更内容を丁寧に説明しましょう。

  1. 月給制従業員の賃金見直し

月給制の場合も、最低賃金への対応が必要です
時給換算の計算:月給を年間の平均所定労働時間で割り、時給換算額を算出します。この金額が新しい最低賃金を下回らないか確認してください。
調整の実施:必要に応じて月給の見直しを行い、従業員のモチベーション維持にも配慮しましょう。

  1. 所得税の扶養範囲内勤務者への対応

扶養内で働く従業員への影響も見逃せません
・勤務時間調整の協議:(所得税の扶養範囲)以内で働く従業員に対し、12月までの勤務時間や来年以降の働き方について早めに話し合いましょう。
・柔軟な対応:従業員の希望に応じてシフトや労働時間を調整し、働きやすい環境を整えることが重要です。

  1. 社会保険の扶養範囲内勤務者への対応

社会保険の扶養範囲(年収130万円未満、または19~23歳の一部対象者は150万円未満)で働く従業員にも注意が必要です
・シフト調整の検討:年収上限を超えないよう、シフトや労働時間の見直しを提案。従業員の生活スタイルに合わせた柔軟な対応が求められます。
・事業主証明の活用:130万円の壁を超える場合、最大2回まで事業主証明により一時的な収入超過を認め、扶養資格を維持できる場合があります。この制度を活用し、従業員の不安を軽減しましょう。

  1. 人手不足への備え

最低賃金の引き上げは、従業員の確保にも影響を与えます。以下の対策を検討してください
・採用計画の見直し:賃金改定に伴うコスト増を踏まえ、採用人数や条件を再検討。
・従業員の定着策:賃金だけでなく、働きやすい環境や福利厚生の充実を図り、離職を防ぎましょう。
・早めの準備:急な人手不足を防ぐため、早い段階でのシフト調整や採用活動を進めることが重要です。

まとめ
最低賃金の引き上げは、企業にとってコスト管理や人材確保の大きな課題です。しかし、早めの準備と適切な対応により、従業員の満足度を維持しつつ、法令遵守を実現できます。特に、賃金の見直しや扶養範囲内の従業員とのコミュニケーション、採用戦略の再構築は急務となります。

【労務管理】地域別最低賃金の適用場所

地域別最低賃金とは

地域別最低賃金は、最低賃金法で定められている労働者の時間当たり賃金の最低金額です。

最低賃金法

(目的)

第一条 この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

地域別最低賃金は、その地域における労働者の生活費や賃金、通常の事業の賃金支払能力などを考慮して定められています。
そして、産業や職種、雇用形態(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など)に関わりなく、その地域で働くすべての労働者に適用されます。

最低賃金法

(地域別最低賃金の原則)

第九条 賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。以下同じ。)は、あまねく全国各地域について決定されなければならない。
2 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。
3 前項の労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合

最低賃金を支払わない場合、罰則が定められています。

地域別最低銀額以上の賃金を支払わない場合最低賃金法により50万円以下の罰金
特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合労働基準法第120条により30万円以下の罰金
※特定(産業別)最低賃金…特定の産業ごとに設定されている最低賃金で、産業の労使が「地域別最低賃金」よりも高い水準で最低賃金を定めることが必要と認めた場合に設定されます。
 

地域別最低賃金の全国一覧

地域別最低賃金は厚生労働省HPで確認できます。例年、だいたい10月に改定になります。

厚生労働省HP 令和5年度地域別最低賃金改定状況 から抜粋

最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。


最低賃金額以上かどうかを確認するとき、次の手当は除いて確認します。
「6.精皆勤手当」を除外する点が残業代を計算するときの割り増し基礎単価と異なり、注意が必要です。

最低賃金額を確認するときに除外する手当

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

地域別最低賃金はどの地域で判定されるか

地域別最低賃金が適用される「事業場」の適用範囲は、労働基準法における考え方と同一です。

(労働基準法第9条)

この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

一つの事業場かどうかは、場所的観念(同じ場所か離れた場所か)によって決まります。
同じの場所にあるものは原則として一つの事業場とし、場所が違うものは原則として別の事業場とされます。

例外ですが、場所が異なっていても、『就労先の規模が著しく小さくて独立性がなく、組織的な関連や事務能力などを考えると一つの事業場といえない程度の規模』のものは、直近上位の機構と一括して一つの事業場として取り扱うとされています。

参考通達:平成11年3月31日基発第168号通達、昭和47年9月18日発基第91号通達の第2の3「事業場の範囲」(労働安全衛生法解釈通達)

例としてあげられるのが、新聞社の通信部、駅の売店、ビルメンテナンス業における作業現場等です。

『完全在宅勤務』の場合の最低賃金

最近ですと、『完全在宅勤務』の勤務形態も珍しくありません。

勤務場所(自宅)が青森県内であっても、労働者が所属する直近上位の支店が東京都内にあれば、東京都の最低賃金が適用されることになります。

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