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労働者派遣 同一労働同一賃金について

Q&A第5集について(令和3年12月24日公表)

上記が厚生労働省HPで公表されています。
000872372.pdf (mhlw.go.jp)
おおまかに説明しますと一般賃金の額と同等以上になっているかを確認しているものになります。

そのなかで、
1.労使協定の締結
 におけるものですが、令和4年4月1日になると一般賃金の額が上がることにより、該当社員の賃金を上げることになる場合は、賃金締日がどうであれ、4月1日から昇給する必要がありますということになっています。もちろん、既に発表されているデータを元に作成して、3月31日までの賃金とは別に4月1日以降の賃金を昇給が必要ならば昇給させることになります。
 このQ&Aの文章では、4月1日適用の新しい通達がこれからでるのではと誤解をしてしまうかもしれませんが、おそらくそういうことではないと思われます。

 

【労働者派遣】同一労働同一賃金について

 既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、労働者派遣事業においても「同一労働同一賃金」が2020年4月から大企業、中小企業にに関わらず全社、適用されます。
 来年4月からの適用ですので、少し早く感じるかもしれませんが、来年の4月の派遣契約には料金等はすでに関連していますし、派遣先の会社ご担当者と早めに話し合いをされた方がよろしいのではないでしょうか。

均等・均衡方式と労使協定方式について

 以下について簡単に解説いたします

  1. 均等・均衡方式と労使協定方式について(どちらかを選びます)
      本当に簡単に解説します。
      均等・均衡方式は、給与・賞与・退職金などを派遣先に合わせる
      労使協定方式は、給与・賞与・退職金などを派遣元会社内で労使で合意する、給与の額は、6,7月に発表される基準による。
  2. 1の方式の選び方
      多くの方と話しているとほとんどの方々は、労使協定方式を選んでいます。派遣先の会社に同じ様に勤務している方々の給料等の情報を聞くのにためらわない、またそもそも教えてもらえない、などという声もありました。また派遣先が大企業の場合に、特に退職金の額などが大きく異なるのも均等・均衡方式が選ばれない主な理由です。
  3. 注意点 退職金制度について
      均等・均衡方式は2でも記載しましたが、派遣先に合わせた退所金制度になります。ということは、派遣先に退職金制度がなければ、派遣従業員に退職金をその派遣期間分を支払う必要はありません。また入社して5年は支給されないなどの規定もよくあります。そのような場合も、同じように適用されます。
      一方、労基協定方式は、社内で退職金制度を作る必要があります。現在対象金制度がなくても派遣事業のために作る必要があります。しかも年収の6%という基準もあります。例えば、月額給与・手当25万円、賞与年間4か月分100万円で年収400万円ですので、6%は年24万円、月額2万円を退職金として新たに積み立てる必要があります。もちろん派遣料金の見直しが必要になります。

 今後、各労働局では、派遣事業者に対して、同一労働同一賃金に関する説明会を開催する予定です。
 個別でのご相談も弊社でさせていただいています。

年次有給休暇について~年次有給休暇管理簿ひな形

年次有給休暇管理簿は3年間保存

2019年4月1日以降、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して使用者は年5日間の指定が義務付けられます。

また、使用者は労働者毎の年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存することが求められます。

 

年次有給休暇の管理簿

そもそも有給休暇の付与日数や消化日数の管理さえしていなかった…という場合、2019年4月に備えてまずは年次有給休暇の管理簿を作成することから始めてください。

 

年次有給休暇管理簿(Excel)はこちら
※各書式はサンプルですので、ご利用にあたっては関係法令等をご参照の上、各社の状況に応じて変更してご使用ください。
なお、掲載する書式集を使用しての一切の責は当事務所では負いかねますのでご了承ください。

Excelの黄色枠内に入社日や有給休暇の使用日を入れると、法定の付与日や付与日数、使用期限(時効)、残日数が簡単に確認できるようになっています。

半日や時間単位取得、フルタイム労働者以外の場合はExcelを編集してご利用ください。

有給休暇の管理で気を付けること

有給休暇の管理で気を付けないといけないことは、使用日と時効の管理です。
(慣れていないと意外と面倒です。。)

従業員数が数十名いる場合は有料ソフトを入れたほうが効率化が図れていいと思いますが、数名程度であればExcel管理で十分かと思います。

Excelも使いなれていない・・という場合は、こちらのpdfで手書きで管理していただくと良いと思います。

年次有給休暇管理簿 (pdf用)はこちら

また、北海道労働局HPに参考様式がありました。ご参照ください。

(佐藤)

年次有給休暇~斉一的付与制度とは?

年次有給休暇の付与日を統一する「斉一的取扱い」

従業員の入社日がバラバラだと年次有給休暇の付与日もバラバラになるため、使用者は管理が煩雑になると思います。
そこで、年次有給休暇は従業員全員の付与日を統一する「斉一的取扱い」という方法が認められています。

気を付けるポイント

通達(基発0331第14号)で以下のような留意点が示されています。

・法定の基準日以前に付与する場合、年次有給休暇の付与要件である8割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。
・次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。

どういうことかというと・・・

(例)
4/1を付与日(基準日)として統一する場合

4/1入社のは1日も出勤していませんが、「短縮された期間は全期間出勤したものとみなす」ので10日付与の対象になります。
3/1入社の人の出勤率を以下のように算出して、出勤率が8割以上であれば4/1に付与します。

【基準日よりも過去】通常の出勤日数を数える…3/1~3/31
【基準日以降】全期間出勤したものとみなす …4/1~8/31

◎出勤率の計算方法
出勤率=【出勤日数(算定期間の全労働日のうち出勤した日数)】÷【全労働日(算定期間の総暦日数から就業規則で定めた休日を除いた日数)】

※出勤日数には、遅刻・早退した日は含めて、休日出勤した日は除きます。また、次の取扱いに注意してください。

・全労働日の日数から除外(分母の日数を減らす)
(1)使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
(2)正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
(3)休日労働させた日
(4)法定外の休日等で就業規則等で休日とされる日等であって労働させた日

・出勤日数として取り扱う(分子の日数を減らさない)
(1)業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
(2)産前産後の女性が労働基準法第65条の規定により休業した日
(3)育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
(4)年次有給休暇を取得した日

付与日と付与日数

ここで疑問になるのは、すべての社員(フルタイム)に入社後4/1に10日付与すればいいのか?ということですが、良く考えると法定を下回るケースがでてしまいます。。。

 

【OK】10/1~4/1入社の社員…4/1に10日付与すれば、法定(入社から半年で10日付与)を下回らない。
【NG】4/2~9/30入社の社員…4/1に10日付与だと半年以上経過するので、法定(入社から半年で10日付与)を下回る。

そこで考えられるのが、
【パターン1】すべての社員に入社日に10日支給し、基準日には出勤率を算定したうえで11日付与する。
【パターン2】入社から基準日まで6か月を超える社員には入社日に10日支給する。
など。。

ただ、【パターン2】だと入社日の違いですぐに使える有給休暇の日数に差がでてしまい、社員が不公平と感じると思います。
不公平感をなくすため、入社日に10日付与しない社員には入社日に応じて比例付与する…と配慮するなど、従業員の代表者等と協議をして会社の実状に合った取扱いになるよう工夫が必要です。

分割付与

分割付与は、10日のうち何日かを繰り上げて付与することです。

例えば4/1に入社した社員に入社時に5日、半年後の10/1に5日(法定の10日―既に付与した5日)付与することもできます。

このケースで気を付けなければいけないことは、通達の「次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。」です。

上記例ですと、次年度の付与日は本来翌年10/1ですが、初年度に10日のうち5日分について6箇月繰り上げているので、同様に6箇月繰り上げて、4月1日に11日付与する場合などが考えられます。

 

(佐藤)

年次有給休暇について~年5日の取得が義務化!

使用者は年5日間の指定が義務

2019年4月1日以降、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、使用者は年5日間の指定が義務付けられます。

(罰則付き。労働基準法第120条)

2019年4月1日以降に変わる事って?

10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、使用者は年5日の有休を『使用させる(消化させる)』ことが義務になります。

いままでは有休が付与されていても「1日も使ったことがない…」「使わないまま退職した…」なんてことが当たり前でしたが、それがNGになります。

10日以上の年次有給休暇が付与される労働者とは

では、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者とはどういった人でしょうか。

・フルタイム労働者
・週の所定労働時間が30時間以上
・週の所定労働日数が5日以上
・週の所定労働日数が4日で勤続年数3.5年以上
・週の所定労働日数が3日で勤続年数5.5年以上

細かく記載しましたが、要するに『フルタイムで働いている』『フルタイムではないけど社会保険に加入する程度働いている』『週3~4日くらいの勤務だけど勤続年数が長い』従業員は、対象になっている可能性があるということです。

いつからいつまでに有休を使用させればいいの?

「年5日間の指定」の「年」の起算日は、「付与した日」です。

【例。4/1入社の場合】

…付与日は10/1なので、10/1~翌年9/30までの間に年5日消化させる必要があります。


中途採用をしていると入社日はバラバラだと思うので、使用者は管理が煩雑だと思います。付与日がバラバラだと管理が大変で困る・・・という場合、斉一的付与制度の導入をお勧めします。

斉一的付与制度について詳しくはこちら

取得義務への対応

では具体的にどのように有給休暇を使用させればいいのでしょうか。
大きく3パターンに分かれると思います。

①労働者本人の時期指定による付与

労働者本人が時期指定をする、いままで通りの原則です。

既に有休消化率が高く、『対象の従業員すべてが年5日以上消化できているような環境』であれば①で良いと思います。(恐らく既に有給休暇が使用しやすい職場環境が整っていると思います。)

使用者は

・付与日~1年間に年5日消化できているか管理

・取得期限の○か月前になっても消化できていないようであれば本人に声かけをして確実に消化して貰う

ようなルールにすると良いと思います。

②労使協定締結による計画的付与

有休消化率が低く、ほとんどの従業員が取得できていない環境であれば②をお勧めします。

就業規則に計画的付与について定めて労使協定も結ぶ必要がありますが、付与した有給休暇のうち5日を超える日数について『事業場全体による一斉付与』や『班別付与』『個人別付与』ができます。

③労働者本人の希望を聞いたうえで使用者による時期指定

今回の改正のポイントです。『使用者が労働者に取得時期の意見を聴取』し、『労働者の意見を尊重して使用者が取得時期を指定』します。

労働者から有休の取得の申出がしずらい職場環境でも、『使用者が労働者に意見聴取』をして『休ませなければいけない(義務)』というのがこれまでとの大きな違いです。

「取得期限の1ケ月前に5日消化できていないことに気付いた・・!」となると、実際、仕事を回すのが困難になると思います。

年単位や数カ月単位であらかじめ年次有給休暇取得日の計画をたてるか、取得期限の○か月前になったら労働者に意見聴取をする、といったルールを会社で定めると良いと思います。

年次有給休暇の管理簿

「そもそも有給休暇の付与日数や消化日数の管理さえしていなかった・・」という場合、2019年4月に備えて、まずは年次有給休暇の管理簿を作成することから始めてください。

⇒年次有給休暇の管理簿について詳しくはこちら

その他、有給休暇の付与をする条件として、
・付与する日の直前1年間(最初の付与は直前6カ月間)の出勤率が8割以上
・業務上の療養のための休業期間、産休・育休期間、年休をとった日は出勤日として考える
といった従前からのルールもあります。

 

使用者や担当者はいまいちど有給休暇について確認しておくことをお勧めします。

有給休暇ハンドブック(厚生労働省)

 

(佐藤)

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